顧客満足度(CS)・従業員満足度(ES)を共に高める3つのポイント
ビジネスにおける満足とは単に問題がない状態ではなく、顧客や従業員が期待以上の成果や体験を感じることです。満足度には大きく、対顧客の顧客満足度(CS)と対従業員の従業員満足度(ES)の2つがあります。
CSとES、2つの満足度向上が業績向上に繋がる
CSとESの2つを高めることで顧客ロイヤルティや生産性、モチベーションが上がり、結果として組織の業績向上につながります。
顧客満足度(CS)とは
従顧客が製品・サービスに対して抱く期待が満たされる、もしくはそれを超える状態を指します。品質やブランドイメージ、カスタマーサポートなど、多岐にわたる要因が関与しています。企業にとっては、単に顧客の要求を満たすだけでなく、予想以上の価値を提供することが、リピーターや口コミの拡散を生み出し、長期的な信頼とロイヤルティを築く鍵となります。
従業員満足度(ES)とは
従業員満足度(ES)は、従業員が自身の職場環境や役割に対して感じる満足度を指します。仕事に対する充実感や成長機会、職場での評価、上司や同僚との良好なコミュニケーション、働きやすい労働環境などが、ESの向上に大きく寄与します。また、キャリアのサポート、ワークライフバランスの確保も従業員のモチベーションを高める重要な要素です。高いESは、組織内の生産性や顧客満足度の向上、離職率の低下や優秀な人材の確保にも繋がります。
満足度向上に向けて実施すべき3つのポイント
1.製品・サービスの品質を向上させる(CS向上)
品質は顧客の信頼を獲得し、満足度を高めるための最も基本的な要素です。品質改善に取り組むことで、リピート顧客の増加が期待できます。品質を向上させるための有効策として以下3点が挙げられます。
<QC7つ道具の活用>
QC7つ道具は、製造現場やサービス提供において、品質のバラツキを減らし、潜在的な問題点を早期に発見・解決するために用いられます。「パレート図・特性要因図・グラフ・管理図・チェックシート・ヒストグラム・散布図」の7つで構成されています。QC7つ道具を活用することで、データに基づいた問題解決を行い、製品・サービスの品質向上を実現します。
<5Sの推進>
5Sは、職場環境の整備と効率化を目的とした手法であり、品質向上にも大きく寄与します。
5S | 内容 |
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整理(Seiri) | 必要なものと不要なものを区別し、不要なものを捨てること |
整頓(Seiton) | 使いやすく、決められた場所にわかりやすい配置、収納すること |
清掃(Seisou) | 常に綺麗な状態に保ち、汚れや故障がないか点検すること |
清潔(Seiketsu) | 整理・整頓・清掃が徹底された状態を維持すること |
躾(Shitsuke) | 守るべきことが守られる状態を習慣化すること |
<技術革新による品質向上>
技術革新は、製品やサービスの品質を飛躍的に向上させる重要な要素です。新しい技術の導入により、従来のプロセスで対応できなかった課題を解決できる場合があります。たとえば、AI活用などが挙げられます。
2.顧客の期待値を上回る(CS向上)
顧客対応の改善策を実行することで、企業は顧客満足度を劇的に向上させることができます。その第一歩として、顧客フィードバックの定期的な収集と分析が重要です。実際のフィールドワークを通じて、顧客のリアルな声を直接収集し、それを基にした戦略的なアクションを取ることが可能です。
また、従業員の接客レベルの向上も欠かせません。CS調査の結果を基にした社内教育の実施が、従業員の接客スキルを定期的に向上させることができる良い例です。従業員がより質の高いサービスを提供できるようになれば、顧客満足度が飛躍的に向上し、企業全体の競争力が強化されるでしょう。
3.従業員のエンゲージメントを高める(ES向上)
従業員が高いモチベーションで業務に取り組むと、顧客対応の質が向上し、結果的に顧客満足度も高まります。従業員のエンゲージメントを高めるためには、まずワークライフバランスの促進が重要です。例えば、業務時間外に仕事の連絡に返答しない「つながらない権利」を導入することで、従業員のプライベートな時間を守り、仕事と生活のバランスを取ることができます。
また、コミュニケーションの活性化も欠かせません。コミュニケーションが取りやすい風土を作ることで、従業員間の信頼関係を深め、協力的な職場環境を生み出します。
品質の向上、顧客対応の強化、そして従業員エンゲージメントの向上といった3つのポイントを実行に移し、日々の業務に生かすことで、企業はより高い満足度を提供できるようになります。
満足度向上の取り組みを継続的に行うことで、顧客と従業員の信頼を得、長期的な成長と安定した業績が期待できるでしょう。
事例で学ぶ業務改善研修~満足度の向上編
製品・サービスの品質、顧客の期待値、従業員のエンゲージメントの3つの観点で自組織の業務改善を図る研修です。具体的な事例を多く取り上げるため、それらをヒントにして実践的に満足度向上のポイントを学ぶことができます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 業務改善を通じてCSを向上させ、新規顧客の獲得につなげたい
- 従業員の労働環境を改善し、働きやすい職場づくりを実現したい
- 現場ですぐに実践できる業務改善の具体策を知りたい
本研修の目標
- 顧客や従業員の満足度を高めるための具体的な策について理解する
- 業務改善の事例を学び、その教訓を自身の業務に活かす
- QC7つ道具や5Sなどの具体的な業務改善手法を理解し、実際の業務に適用する
セットでおすすめの研修・サービス
業務改善研修
業務改善の流れを9つのステップにわけ、それぞれのポイントを学ぶことで、確実に業務改善を実行し成功させるためのスキルを習得します。ご自身の組織における改善テーマを選び、ステップに沿って現状分析、真因追及、目標設定、対策立案を行います。最後には、そのまま職場で活用可能な「業務改善企画書」を完成させます。
接客・接遇リーダー研修~CS向上のための環境づくり・指導力
チームのCS向上は組織の重要課題であり、その実現のためにはリーダーが中心となってチームのCSを推進していくことが大切です。本研修では、まずCSリーダーとしての役割を認識いただきます。そのうえで、接客力向上のための環境作りとメンバーへの指導力に焦点をあてて学びます。
CX向上研修~デジタルがもたらした顧客の変化に対応する
お客さまに選ばれ続け、業績の拡大を実現するうえで、「CX(カスタマーエクスペリエンス)」は避けて通ることのできない概念となっています。
これまで取り組んできた「顧客満足」や「顧客志向」とは何が違うのか、ITとの連携やデータ活用がカギになると言われるのはなぜか、CX活用によってどのような経営的メリットが期待できるのか、などの疑問点を整理し、自社の顧客価値向上に活かすきっかけとしていただきます。
EC時代の接遇力向上研修~「対面」ならではの価値を提供する
ネットの利用が増え、現場でもデジタル化が進む中、対面接客における顧客のニーズが多様化しています。本研修では、そんな中で店舗での顧客満足度(CS)を向上させる方法を学びます。
デジタル化が顧客とCSに与えた影響をお伝えし、顧客が価値を感じる接客のポイントを解説します。また、顧客のニーズ別に事例を通じて理想的なCSを考えるワークでは、接客方法や店員の役割がどう変化しているかを学び、対面接客のレベルアップを目指します。