「勝てる人事戦略」とは?組織デザイン・人材教育・採用活動の策定方法を成長フェーズ別に解説
人事戦略は、企業の成熟フェーズに応じて設計・見直しが求められます。「創業期」「成長期」「事業拡大期」といったフェーズごとの課題に適した施策を取捨選択し、段階に応じて使い分けることが、組織の成長を支える鍵です。
本記事では、「組織デザイン」「人材教育」「採用活動」の3つの切り口から、人事戦略の最適な策定方法を解説します。
組織デザインの重要性~カルチャーの浸透・評価制度の確立・現場とのコミュニケーション
組織デザインは、企業の成長を支える基盤です。
創業直後の企業は、まずは組織のカルチャーを確立することが重要です。創業期は社員のベクトルを揃えるために「理念」を言語化し、行動規範となるようなカルチャーを確立させます。また、スピード感があり業績向上しやすい経営者直轄のフラット型の組織構造でスタートすることが効果的です。
成長期に入ると、バックオフィス(人事・総務・経理)部門の専任者を立て、人事制度・評価制度などを確立させていきます。
事業拡大期には、組織の柔軟性と競争力を高めることに目を向けます。異動によって多くの人材に経験の機会を提供することや、ダイバーシティを推進することは、業績向上の切り札です。これらの要素を組み合わせることで、「勝てる組織」をデザインし、持続的な成長を実現します。
組織の規模が大きくなればなるほど、組織全体の一体感を保つことが難しくなるため、カルチャーの浸透や離職防止、現場の課題把握のためのコミュニケーションが肝となります。
効果的な人材教育~教育施策の策定・OJT/Off-JT・リーダー育成
人材教育は、企業の競争力を維持するための重要な要素です。
創業期には即効性の高いテーマに絞った必要最低限の教育に絞り、事業拡大期からは教育の仕組みづくりに着手します。場当たり的な教育から脱するためにも、職種別や階層別のスキルマップを作成し、あるべき姿と現状を踏まえた段階的な教育施策が必要です。
また、人材の早期戦力化のためには仕事を通じて教育するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が欠かせません。また、研修などのOff-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)での教育も並行し、全社共通の基礎訓練や座学を実施しカルチャーとナレッジを浸透させます。リーダーの育成やマルチスキルのゼネラリストを作ることも、組織の成長に寄与します。
スピード感の求められる成長企業では、経営者自らリーダーの育成を行うことも大切です。
戦略的な採用活動~求める人材の具体化・離職防止
採用は成長企業にとって一大投資です。
まずは、売上確保を見込むための採用を最優先として、必要な人材を採用します。次に、新卒採用をスタートします。採用したい人材を社内ですり合わせたうえで具体化し、求人票を作り込むことで、求職者とのマッチング率を高めます。
正社員・契約社員・パート・アルバイト・業務委託など目的別の雇用形態や、転職エージェント・自社採用サイト・リファラル・ハローワークなどの採用のルートも自社に必要な人材に合わせて検討します。
選考プロセスや採用後のフォローも重要です。想定外の選考辞退や退職を防止するために定期面談の実施など対策を講じます。これらの戦略的な採用活動を通じて、企業の成長を加速させることができます。
組織の成熟フェーズに合わせた戦略を取捨選択し、段階に合わせて使い分けることが勝てる人事戦略の鍵となります。
トップマネジメント研修~役員・部長が知っておくべき人事戦略(2日間)
組織の業績拡大を下支えし、加速させるための人事戦略に焦点を当てた2日間研修です。創業直後の企業は売上・利益確保が最重要課題となりますが、中長期的に組織を発展させていくためには組織・人づくりにも目を向けることが必要です。
1日目は組織デザインについて学び、自社の課題や成長フェーズを踏まえた組織体制や育成・採用の望ましいあり方をメンバーとディスカッションします。2日目は育成・採用の具体的な進め方を学びます。自社で求められる人材要件を言語化し育成計画を立てるワークや、求職者とのマッチング率や訴求力を高めるための求人票作成ワークを通じて、実態に適った具体的な人事戦略を考えます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 自社の競争力を高めるための戦略を人的リソースの観点から検討したい
- 営業・技術系出身の経営層が多いため、組織づくりについて知見を得たい
- 将来的に上場したいと考えているが、人事・労務体制に自信がない
本研修の目標
- 組織デザイン:企業の成長フェーズに合わせた組織体制や管理方法を検討できる
- 人材教育:組織風土の醸成や人時生産性の向上に寄与する教育計画を考えられる
- 採用活動:自社にマッチした人材を集めるための基本姿勢とプロセスがわかる
セットでおすすめの研修・サービス
トップマネジメント研修シリーズ
トップマネジメント研修シリーズは、会社の業績拡大・競争力向上のための企業経営のポイントを、経営戦略・営業戦略・人事戦略などのテーマごとに学ぶことができるシリーズ演習です。
自社に置き換えた施策を考えることをゴールとして、インプット・アウトプットの時間をバランスよく組み込んだ2日間の研修です。 現任の経営層・部長のほか、次世代リーダーと目される方の受講もおすすめです。
トップマネジメント研修~企業経営の原理・原則(2日間)
企業経営の原則から実行フェーズまでを学ぶ2日間研修です。経営層には、売上拡大と利益確保の両方を実現させ、経営サイクルを回していくことが求められます。
そこで1日目は、経営状況を把握するための数字の見方の確認から始まり、自社を取り巻く環境をふまえた経営戦略・計画の策定の仕方を学び、実行に落とし込みます。
2日目は経営層に求められる決断力や、経営危機に対処するためのポイントを解説します。2日間を通して自社を想定したワークに取り組むため、すぐに現場での実践につなげられます。
トップマネジメント研修~売り上げ拡大の原理・原則(2日間)
売り上げ拡大に必要な要素を「釣り堀・えさ・腕」の釣りの視点を参考に学びます。
1日目はまず、量と質を兼ね備えたデータベースの整備の仕方や顧客リストの作り方を学びます。そのうえで、営業の武器となる自社Webページや提案書のポイントを整理し、実際に訴求力のある提案書を作成するワークに取り組みます。
2日目は、成果の上がる営業チームの作り方や必要な人材をどのように確保していくかなどの営業マネジメントの要諦を学び、採用に向けた求人票の作成に挑戦します。最後には、勝てる仕組みを作るための具体的なKPI設定や営業戦略の立て方に触れ、便利なマネジメントツールも紹介します。
階層別テスト
ビジネスパーソンに求められるスキルを洗い出し、これらのカテゴリ・スキルについてビジネスの場面で必要な「知識」を問うとともに、ケーススタディなどを通じてそれを「活用できる力(活用力)」を有しているかどうかを測定します。
管理職向け意識調査
管理職向け意識調査では、課題発見・戦略思考・部下育成などの管理職層に必要なスキルをどの程度意識できているか、自己評価により見える化します。
例えば、管理職研修を企画する際に事前調査として行うことで、自組織の管理職層全体の強みや課題が分かり、より効果の高い教育が実現できるようになります。また、この調査結果は、管理職を中心とした全社の人材育成体系・人事評価制度の見直しに活用することもできます。
人事評価シートWeb化
貴社の評価シートを、当社の人事サポートシステム「Leaf(リーフ)」の人事評価機能の画面に完全再現するWebサービスです。インソースがこだわるのは「そのままWeb化」。評価シートの見た目と運用法は維持したままシステム化を実現することで、貴社の運用改善を成功に導きます。