ミテモ株式会社

3年目の壁を乗り越える~「振り返り」と「目標設定」で離職を防ぐ

「3年目の壁」は、多くの企業が直面する課題です。仕事への慣れから中だるみを感じやすくなるこの時期は、成長実感を得られずに早期離職につながるケースも少なくありません。

本コラムでは、若手社員の離職を防ぎ、次世代のリーダーとして成長を促すために不可欠な2つの要素である、「振り返りと目標設定」の習慣化について、具体的なポイントを解説します。

エンゲージメントを高め離職を防ぐ「振り返り」と「目標設定」の習慣化

日々の業務に追われる若手社員は、自身の成長を客観的に把握する機会を失いがちです。成長実感が得られないということは、モチベーション低下やキャリアへの不安に直結します。そこで重要になるのが、自身の経験を次に活かすための「振り返り」と、未来志向の「目標設定」を促す仕組みです。

「やらされ仕事」を「自分ごと」にする振り返りの力

振り返りの最大の目的は、自身の経験を言語化し、成功と失敗から学びを得るプロセスを本人に経験させることです。うまくいったことから「自分の強み」を再認識し、自信を深め、うまくいかなかったことからは「克服すべき課題」を見つけ、次の成長の糧として活かすことができます。

このサイクルを回すことで、若手社員は自身の成長を実感し、「やらされ仕事」から「自分ごと化した仕事」へと意識を変革させることができます。この成長実感が、会社へのエンゲージメントを高め、定着率の向上に大きく貢献します。

育成に活用できる、具体的な振り返り手法「KPT法」

育成面談や日々の指導で、ぜひ「KPT(ケプト)法」というフレームワークをご活用ください。これは個人の振り返りはもちろん、チームのミーティングでも活用できるシンプルな手法です。

Keep(継続すること)

成果につながった良い行動や、自身の強みが発揮できた点を本人に語ってもらいます。
(例)「事前に資料を準備し、会議の目的を共有したことで議論がスムーズに進んだ」

Problem(問題点・課題)

改善したい点や、うまくいかなかった点を挙げさせます。ここでは客観的な事実に基づき、次への改善点を探すことを目的にします。
(例)「他部署への依頼が遅れ、全体のスケジュールがタイトになってしまった」

Try(次に挑戦すること)

Keepをさらに伸ばし、Problemを解決するための具体的なアクションプランを考えさせます。上司や育成担当者は、実現可能で具体的な行動目標になるようサポートします。
(例)「タスクの洗い出しと関係者への事前共有を、プロジェクト開始時に行う」

「納得感」のある目標設定が、キャリア自律を促す

振り返りで見えてきた本人の強みや課題を基に、次の目標を設定させることが重要です。会社から与えられた目標だけでなく、本人が「挑戦したい」と思えるような、納得感のある目標を一緒に考えるプロセスが、キャリア自律の第一歩となります。この「自分のキャリアを自分で創っている」という感覚が、組織への貢献意欲と定着意識を高めます。

まとめ ~若手社員の育成には「仕組み化された振り返り」が不可欠~

本コラムでは、若手社員の「3年目の壁」を乗り越え、離職を防ぎながら成長を促すための育成ポイントを解説しました。

成長実感を与える振り返りと目標設定を意識的に育成の仕組みに組み込むことが、若手社員のキャリア自律を促し、貴社の未来を担う人材へと成長させる鍵となります。

1~3年目向けステップアップ研修

本研修は、若手社員が自ら仕事を作り出す力を養うことを目的としたプログラムです。研修は、入社1~3年目にかけて計5回実施し、1年目に1回、2・3年目には各2回ずつ行います。学んだことを実践できる期間が生まれるため、着実に自分の力を伸ばし、磨くことができます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 自ら問題を発見し、解決に導くための力を身に付けたい
  • 自分だけが動くのではなく、周囲を動かして業務を進めたい
  • 周りの人を巻き込んだ業務改善プロセスを理解したい

本研修の目標

  • 自分に必要な知識・スキルを理解し、習得するために行動ができる
  • チーム単位でPDCAを回し、自分及び自分の周囲の環境を改善できる
  • 難易度の高い業務や利害関係者が多い業務であっても、上手く合意を得ながら仕事を進めることができる

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セットでおすすめの研修・サービス

25歳の壁を乗り越える研修~考え方を切り替え、ワンランク上の仕事を目指す

若手社員は、具体的な仕事の悩みだけでなく、社会人として仕事をするなかで、漠然とした不安やもやもやした気持ちを抱えることがあります。それらの気持ちを「壁」と考え、年齢別にぶつかりやすい壁とそれに対する対策を学ぶ研修です。
社会人3年目にあたる25歳頃は、仕事の慣れや失敗などからモチベーション低下を起こしやすい時期です。研修では、壁をチャンスと捉えるポイントとして「考え方の切り替え」をお伝えします。

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若手社員研修~主体性の発揮

一通りの業務ができるようになった若手社員の方を対象に、さらなる成長に向け主体性を発揮して仕事に取り組むために必要なマインドとスキルを学んでいただく研修です。具体的には、今後組織を牽引していくために「仕事の主体者」としての役割を受け入れ、そのために必要な「目的意識」「仮説思考」「判断基準」について習得していきます。

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OJT研修~部下・後輩指導の基本スキルを習得する(2025年版)

部下・後輩の世代の傾向やキャリア観への理解を深め、職場全体を巻き込み計画的に指導・育成する方法を学ぶ研修です。
部下・後輩が自ら考え行動できるようになるためには、OJT担当者による用意周到な準備、粘り強く何度も同じ指導を継続し続けること、効率よく計算的に育成を進捗させる力が不可欠です。実際の部下・後輩の現状を踏まえた3カ月間の育成計画の策定方法のほか、報告の受け方や指示の仕方、ほめ方・叱り方などの指導方法を学び、ケーススタディで実践力を磨きます。

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