「AI活用」の第一歩は事例研究から!迷わず導入するためのヒントをご紹介
「我が社もAIを活用し、デジタルに強い組織にするぞ!」もしこのような方針になったら、組織としてまずは何をしますか?いきなりシステムの導入や開発に入るのではなく、まずは世の中にはどんな活用事例があるのか気になりますよね。
本コラムでは、AIをビジネスで活用するイメージを持っていただくために、AIができることを活用事例とともにご紹介いたします。
人間の「当たり前の行動」をコンピューターでもできるようにする
私たちが普段の生活で行っている「話す」「聞く」「読む」「書く」といった行為を、コンピューターが言葉を理解し、適切に反応する。現代の技術を使えば、このようなことが可能です。では、この技術はどのような場面で使われているか3つ事例をご紹介します。
チャットボットが質問に自動で答えてくれる(カスタマーサポートの自動化)
例えば、お客様からの「サービスの料金について知りたい」といった質問をAIが理解し、事前に登録された情報の中から最適な答えを自動で返してくれます。これにより、お客様はすぐに疑問を解決でき、会社側も人手不足の解消や対応時間の短縮につながります。
大量の報告書や会議の議事録をAIが要約して、すぐに共有できる(ドキュメント整理の効率化)
AIが膨大な量の文章の中から重要な部分を抜き出し、短く分かりやすい形にまとめてくれます。これにより、情報を探す手間が省け、必要な情報を素早く共有できるようになります。
インターネットの口コミやレビューから、分析できる(マーケティング分析の強化)
SNSの投稿やECサイトのレビューなど、インターネット上の膨大な文章を分析し、「この商品は使いやすい」や「このサービスは対応が遅い」といったお客様の感情や意見を自動で集計・分析します。これにより、お客様のニーズを正確に把握し、より良い商品やサービス開発に役立てることができます。
単に文章の意味を理解するだけでなく、最近では、言葉の裏に隠されたジョークや皮肉といった「感情」や「意図」まで読み取れる技術も登場しています。これにより、AIは単に質問に答えるだけでなく、まるで人間と話しているかのように自然な会話をしたり、私たちの感情を汲み取った文章を生成したりすることも可能になりつつあります。
AIが私たちの言葉を深く理解し、より人間らしいコミュニケーションが取れるようになることで、ビジネスだけでなく、私たちの日常生活もさらに便利で豊かなものになっていくでしょう。
コンピューターは「見る」ことができる
私たち人間は、目で見て「これは猫だ」「この書類にはこう書いてある」と判断します。この「見る」という行為を、コンピューターが画像認識という形でできるようになっています。
この技術をビジネスで活用すると、これまで人の目や手で行っていた作業を自動化したり、より正確にしたりできるようになります。具体的にどのようなことができるのか、3つの事例で見ていきましょう。
書類や手書き文字をデータに自動変換する
手書きのアンケート用紙や古い書類などをスキャンするだけで、そこに書かれている文字を自動でデータに変換できます。これにより、データの入力ミスを防ぎ、大幅な時間短縮にもつながります。膨大な量の書類を抱える企業にとって、業務効率を劇的に改善できる強力なツールとなります。
効果的な販促戦略に繋げるために、お店の顧客層を分析する
店舗を運営している場合、店内に設置されたカメラの映像から、お客様の年齢層や性別などを自動で推定できます。これにより、「平日の午前中は30代女性が多いから、この時間帯は女性向けの商品をアピールしよう」といった具体的な戦略を立てられるようになり、売上アップにも貢献します。
不良品を見逃さず品質を自動チェックする
品質チェックは非常に大事な工程ですが、人の目では見落としがあったり、長時間作業で集中力が落ちてしまったりすることもあります。画像認識を使えば、製造ラインを流れる製品の画像をAIが解析し、傷や汚れ、形状の異常などを自動で瞬時に見つけ出します。これにより、不良品が市場に出回るのを防ぎ、製品の品質向上と顧客満足度の維持に大きく貢献します。
画像認識は、人の目では見つけにくい小さな特徴やわずかな異常も自動で検出できるため、目視検査だけでは難しかった業務の自動化や精度向上に役立っています。最近では、スマートフォンの写真から不要な背景を消したり、レシートを撮影するだけで家計簿アプリに自動で記録されたりするなど、私たちの日常生活の中でも画像認識技術が幅広く使われるようになっています。
このように、画像認識は私たちのビジネスや生活をより便利で効率的なものに変える、とても身近で強力な技術なのです。
過去の膨大なデータを元にした正確な予測をする
これまで人の経験や勘に頼っていた判断を、客観的なデータに基づいてコンピューターが行えるようになっています。これにより、ビジネスにおけるさまざまなメリットが生まれます。身近な例ですと、売上を増やしたり、リスクを減らしたりすることに大いに役立ちます。
需要予測
例えば、過去の販売データや天気、イベント情報などをAIが学習し、「いつ、どの商品が、どれくらい売れるか」を予測します。これにより、必要な商品を必要な分だけ準備できるようになり、在庫を抱えすぎたり、品切れを起こしたりするリスクを減らせます。また、廃棄ロスを削減したり、販売機会を最大化したりすることにもつながります。
離職予測
従業員の勤務状況や社内アンケートの結果、過去の離職者のデータなどをAIが分析し、「どの従業員が、どのような理由で、離職する可能性が高いか」を事前に察知します。これにより、離職のリスクがある従業員に対して、早い段階で対策を講じることができ、人材流出を防ぐのに役立ちます。
故障予測
工場の設備や機械の稼働データ(温度、振動、音など)をAIが常に監視し、「いつ、どの部分が、どのように故障する可能性があるか」を予測します。これにより、故障が発生する前にメンテナンスを行うことができ、生産ラインの停止を防いだり、修理費用を抑えたりすることが可能になります。
AI予測は、単に未来を当てるだけでなく、ビジネス全体の最適化に貢献します。他にも、顧客がどんな商品に興味を持つかを予測して、一人ひとりに合ったおすすめを表示することで、商品の購入を促したり、必要な電力量を予測して発電量を調整することで、エネルギーの無駄をなくし、効率的な資源活用も実現可能だったりします。
このように、AIによる予測技術は、より良いサービスを提供したり、限りある資源を有効に使ったりするために、今や欠かせないツールとなっています。
AIを味方につけると、ビジネスの幅が格段に広がる
ここまで様々なAI活用の事例を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。これ以外にもまだまだたくさんAIを活用した事例は数多く存在します。様々な活用事例を研究することで、AIへの理解が深まり、大きなビジネスチャンスに巡り合えるかもしれません。
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