「数字が苦手」を克服する~ビジネスパーソンとして最低限の「数字力」を身に付け、財務諸表を読み解く
「数字に強いですか?」ときかれて、はい!と自信をもって言える方は、あまり多くないのではないでしょうか。「財務」の知識がビジネスパーソンとして重要であることは理解しているものの、何からやれば良いかわからないから手を付けない、という方もいるかもしれません。
本コラムでは、会社の数字の見方、財務三表の基礎、財務諸表の読み方の3つに焦点を当て、ビジネスパーソンとして一歩先を行くための具体的なヒントをご紹介します。まずは会社の中のお金の流れを理解し、財務三表の基礎と読み方を身に付けることで、ビジネスパーソンとして最低限身に付けておきたい数字力を磨くことができます。
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会社の業務を「数字」で捉える第一歩
ビジネスにおいて、すべての業務は数字で考える(定量化する)ことが可能です。数字に苦手意識がある方も、まずはご自身が携わる業務から会社の数字を見る感覚を身につけることが重要です。
利益の源泉とコスト意識
会社の数字を理解するための第一歩として、以下の点を認識しておきましょう。
- 利益の重要性を認識する
会社の目的は「利益をあげること」であり、継続的に利益をあげ続けることが、ビジネスパーソンの最重要課題です。利益は「入」から「出」を引いたもの、つまり「売上-費用」で生まれることを理解しましょう。 - 売上・費用・利益の構造を把握する
売上は「単価×数量」で構成され、費用には製造原価、売上原価、販売費および一般管理費などがあります。これらがどのように利益に繋がるのかを捉えることが肝要です。 - 目に見えないコストを洗い出す
会計上は明確にならない「無駄なコスト」も存在します。これらを特定し、削減策を考えることで、業務の効率化と利益向上に貢献できます。 - 数字を「額」と「率」の両面で、時系列で見る
数字は単独の額面だけでなく、割合や過去からの推移と比較することで、より多くの情報が見えてきます。この視点を持つことで、会社の状態をより深く理解できるようになります。
資金繰りの基礎を知る
利益が出ているのに倒産してしまう「黒字倒産」という現象をご存知でしょうか。これは、お金の流れ、すなわち「資金繰り」の重要性を示しています。日々の業務において、売掛金の回収期間(取引サイト)などを意識し、会社のキャッシュ(現金)の流れを把握することは、安定した経営のために不可欠です。
ビジネスパーソンとして知っておくべき、売上・コスト・利益の基礎知識を習得し、損益や会社のお金の流れ等の数値感覚を身につけます。演習問題を項目別に実施し、受講者の理解度を確かめながら進めていきます。
本研修では、財務諸表や経理の細かい知識を学ぶのではなく、まずご自身が携わる業務から会社の数字を見る感覚を身につけます。
財務三表から会社の「魅力」と「リスク」を見抜く
次に、より体系的に会社の数字を理解するために、「財務三表」と呼ばれる主要な財務諸表について学び、日々の業務との繋がりを具体的にイメージできるようになることが目標です。財務三表から会社の魅力とリスクを読みとるスキルだけでなく、数字に基づいた仕事の判断軸を養うことを目的としています。
財務三表それぞれの役割を理解する
財務三表は、会社の状況を示す「成績通知表」や「健康診断書」のような役割を担っています。
- 損益計算書(P/L)
会社の「成績通知表」として、一定期間の売上や費用、そして最終的な利益がどのように生まれたかを示します。売上やコスト、利益の関係性を深く理解し、利益はみんなで生みだすものだという意識を持つことが重要です。損益計算書には、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5つの利益が示されます。 - バランスシート(B/S)
会社の「健康診断書」として、ある時点での会社の資産、負債、純資産の状態を表します。お金の「集め方」と「使い方」のバランスを見ることで、会社の安全性や効率性を判断できるようになります。会社の数字を家計に例えて理解することも有効です。 - キャッシュ・フロー計算書(C/F)
会社の「血液」とも例えられる現金の流れを把握するための書類です。会社活動における3つのキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フロー)の状態から、利益と現金のずれを理解し、黒字倒産のリスクを回避するための注意点を知ることが不可欠です。
これらの財務三表がそれぞれ独立しているのではなく、互いにどのように繋がっているのかを理解することで、より深く会社の全体像を捉えることが可能になります。
【公開講座】はじめて学ぶ財務三表研修~ケースと図解で実務と数字を結びつける
初めて財務諸表について学ぶ際に悩ましいのが、「財務の基本用語を知っている前提で話が展開されること」と、「それらが何の役に立つのかがイメージできないこと」の2つです。
本研修では、財務の用語を必要最低限に厳選し、日々の業務とのつながりを具体例を用いながら解説します。各章のワークで小まめに知識定着を図り、最後のケーススタディでは、分かりやすくデフォルメした財務三表の読解に挑戦します。財務三表から会社の魅力とリスクを読みとるスキルだけでなく、数字に基づいた仕事の判断軸を養うことを目的としています。
実務で活かす「財務諸表の読み方」~ビジネスパーソンとしての基礎力
財務諸表を知っているだけでなく「意味を読み解ける」ことは、経理職以外の方にとってもビジネスパーソンとしての重要な基礎力です。特に営業職や事業部門の立場では、財務知識を実務で活用することで、自身の業務の質を格段に向上させることができます。
財務諸表を「読み解ける」ようになる4つのメリットと具体的な活用法
財務諸表の読み方を知っておくべき理由として、以下の4つの理由が挙げられます。
- 経営トップが打ち出す方針の意図が分かる
経営層が掲げるKPI(重要業績評価指標)と業績目標のつながりを理解することで、どのような意図で設定されているのかを数字の視点から理解できます。これにより、「使用人」としての立ち位置から脱却し、より主体的に業務に取り組むことが可能になります。コストコントロールの重要性を認識し、利益を「率」と「額」の両方で見る視点も養われます。 - 比較をすることで営業活動を評価できる
損益計算書の5つの利益を理解し、売上高や営業利益の伸び率を「成長性分析」、利益率を「収益性分析」として経年比較することで、自身の営業活動や自社の状況を客観的に評価できます。また、同業他社との比較を通じて、自社の強みや弱みを把握することも可能です。 - どこを改善すればもっと儲かるかが分かる
変動費と固定費の概念を理解し、損益分岐点の計算や限界利益の考え方を取り入れることで、効率的な利益創出とコスト削減のポイントを見つけ出すことができます。特に販管費の削減は、利益改善に直結する重要な取り組みとなります。 - 取引先の信用力や成長性が分かる
貸借対照表(バランスシート)やキャッシュ・フロー計算書を読み解くことで、取引先の資金状況や信用力、購買力を判断する力を養えます。これにより、より確かな取引判断や与信管理が可能となり、ビジネスにおけるリスクを低減できます。
これらの知識を活用することで、仕事の幅は大きく広がり、数字の意味を見通す力が鍛えられます。
【公開講座】財務諸表の読み方研修~数字の意味を見通す力を鍛える
財務諸表を読めることはビジネスパーソンの基礎力です。しかし、「実際にどこでそれらが生かされるのか今ひとつわからない」、「過去に財務会計を勉強する機会はあったが、結局身についていない気がする」というのが、経理職以外の方の本音ではないでしょうか。
本研修では、財務知識が役立つシーンを具体的に解説しながら、実務で使える財務諸表の読み方を習得します。
「会社の数字」を「自分事」として捉え、ビジネスの質を高める
ここまでご紹介した各視点は、ビジネスパーソンとして成長し、より高いレベルで業務に取り組むために不可欠なものです。
まず「会社の数字の見方研修」で、数字への苦手意識を克服し、日々の業務と数字の繋がりを意識する基礎を築くことができます。
次に「はじめて学ぶ財務三表研修」で、会社の成績表・健康診断書・血液ともいえる損益計算書、バランスシート、キャッシュ・フロー計算書の構造と意味を体系的に理解します。これにより、会社の魅力とリスクを読み取るための土台ができます。
そして「財務諸表の読み方研修」で、営業や事業部門の立場から、財務諸表を実務でどのように活用し、経営層の方針理解、営業活動の評価、利益改善、取引先分析に役立てるかを具体的に学ぶことができます。
これらの研修を段階的に受講することで、数字に対する苦手意識を払拭し、日々の業務から経営全体までを数字で捉える「経営視点」を確実に身につけ、ビジネスの質を向上させる強力な武器となるでしょう。ぜひ、この機会に会社の数字を「自分事」として捉え、ビジネスパーソンとしてのステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。
ビジネスパーソンとして基本の数字力を磨くプラン~数字に対するアレルギーを段階的に解消する
このように、「会社の数字の見方」「財務三表の基礎」「財務諸表の読み方」という3つの視点から、段階的かつ実践的にスキルを高めていくことが可能です。そして、これらを一貫して体系的に学べるのが、インソースの公開講座セットプラン「ビジネスパーソンとして基本の数字力を磨くプラン~数字に対するアレルギーを段階的に解消する」です。
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