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誰も教えてくれない「判断軸」を確立するための8つの観点

管理職になると、自チームのメンバーから様々な相談を受け、判断を求められる機会が増えてきます。

例えば部下から相談を受けた際、次のように対応していませんか?

  • 「それでいいんじゃない?」と、時間がないことを理由に詳しく見ずに返す
  • 「○○もありだし、△△も悪くはないと思うよ」と曖昧に伝える
  • 「社長や部長がなんていうかな...」と他責にして戻す

相談をしてきた部下は、上司に明確な方向性を示してほしいと考えています。管理職として、判断することが期待されているのです。

重要だが学ぶ機会は少ない判断軸

管理職の判断は、時には組織の今後を左右します。とはいえ、判断の仕方や判断軸を具体的に教わった方は少ないのではないでしょうか。多くの方が、これまでの自身の知識や経験、上司の判断をもとに判断していると思います。

今回の記事では、教わる機会がほとんどない「判断に必要な8つの観点」をお伝えします。

①課題認識の妥当性

課題認識自体が本当に妥当なものかを、まず考慮する必要があります。課題自体が見当違いだったり、因果関係が認められなかったりすることはよくあります。

例:国内市場が停滞している。今の状況から、海外進出すべきか否か

  • 国内市場に対する自社の営業上の課題は何か
  • 国内市場に対する営業上の戦略はどうなっているのか
  • その戦略は100%遂行されているのか

②ルールの適合性

ルールが、今の時代に合っているかを考えます。ルールに合致している(または禁止ルールに抵触していない)ことと、それが社会・世間的に認められるということは全く別問題です。社会動向や世論には注意を払うべきでしょう。

例:「始業開始すぐに新人女性が全員の机を掃除する」という社内ルールがある

  • その組織では「当たり前」の光景だとしても、社会的に反対される可能性が高い
  • ダイバーシティの観点から、女性に限定して清掃を強制することが男女の差別である
  • 「新人が机を掃除すべき」という考えが、古い考え方であると捉えられやすい(世代間常識の変化)

③安全・衛生

安全・衛生は常に保持されなければなりません。その判断によって、安全・衛生が保持できないようなものは基本的には全て排除すべきでしょう。社員やお客さまの身体的・精神的負担も考慮すべき観点です。

④公平性

負担や享受できるのが一部の人に偏ってしまう判断はよくありません。メンバーの負担は公平化、多くの人が利用できるサービスになっているのか、一部の人だけが知っているということはないかを考えます。

⑤実現可能性

大きな業務効率化が見込まれるが、導入に数億円かかる、人員を倍にすれば対応できるなど、実現が困難な目標を考えても意味がありません。また、実行の手順(ステップ)も考えます。進めるにあたり、阻害要因があれば対処法を検討しましょう。

⑥費用・効果・品質

経営資源が限定される中、「より少ないコストでより高い効果」への要求は高まる一方です。「費用対効果」は常に意識しましょう。また、相手方の期待以下の品質であるものは、お客さま満足度の低下やクレームを引き起こす恐れがあります。

⑦リスク

その事案に潜むリスクはどんなものがあるのか、どれくらいあるのか、さらにそれは許容できる範囲なのか等について検討する必要があります。

リスクの例:労働災害、社員の高齢化、不祥事、品質不良、財務、セキュリティ、自然災害など

⑧納得感

「理屈が通っていること」と「相手が納得できること」は、別問題です。言い換えれば、正しい理由が揃っているだけでは「足りない」こともあるということです。また、そもそも相手に理由が伝わらなければ納得されません。関係者が納得するように「伝える」ことも重要なポイントです。

もちろん、事柄によってはあてはまらないものやこれら以外の「観点」もあります。大切なことは常に「他に考慮すべきことはないか」、「最も優先されるべき観点は何か」という視点を持つことです。

判断力強化研修~8つの観点で意思決定ができる管理職になる

これらの8つの観点や判断する際の注意点を学び、現場で適切な判断ができる力を身につける研修です。研修の最後は「業務効率化のためにマニュアル作成を提案された時の判断」「異動してきたメンバーがX®(旧Twitter)に良くない書き込みをしている時の判断」などのケーススタディに取り組み、判断力を体得します。

よくあるお悩み・ニーズ

  • チーム・組織におけるリスクを防止するために必要な判断材料を知りたい
  • 前例がない状況に遭遇した時の、管理職としての判断の仕方を学びたい
  • 自分が下した判断に対して、部下が本当に納得しているか自信がない

本研修の目標

  • 判断の妥当性を高めるために、多様な観点で情報を集めることができる
  • 管理職として求められる判断軸を身につけ、自分自身の力で状況に応じた判断を下すことができる
  • 外的な判断基準ではなく、自分の基準をもとに決断する際の心構えとポイントを理解できる

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セットでおすすめの研修・サービス

管理職向けシミュレーション研修~マネジメントを学び、判断力を鍛える編

管理職には、その場で判断・決断したことを実現するための様々なスキルが必要です。本研修ではケース・シミュレーションを通してリアルに考え、管理職としてのスキルを高めます。

前半ではシミュレーション演習を通じて、自身の判断軸を振り返ります。後半は、講義をメインに各マネジメントのポイントを解説します。具体的には、リスク管理能力・リーダーシップ発揮力・部下指導力・タイムマネジメント能力について言及します。

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業績向上のための組織づくり研修~OODAループで目的を達成する編

環境変化のスピードが激しさを増しているビジネスの世界において、確実に業績を上げる組織を作るための新しい考え方である「OODA(ウーダ)ループ」を学びます。

OODAループとは、柔軟かつ迅速な意思決定の流れを4つのプロセスに分けてわかりやすく 理論化したものです。①「O」(観察)→②「O」(方向付け)→③「D」(決断)→④「A」(行動) 以上の4つのプロセスからサイクルは構成されています。

OODAループをふまえ、刻々と変わる状況に臨機応変に対応ための組織のあり方、リーダーの振る舞い、事例を用いた講義とワークを通じて考え、現場における実践的な活用に繋げます。

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【人格の陶冶シリーズ】職場における「モラル」を考えるワークショップ(1日間)

職場では、「モラル」のある行動が求められます。ルールやマナーを守ることとは少し意味合いがことなり、何をすればモラルのある行動と認められ何がモラルに反する行為なのかが今一つわかりづらいのも事実です。また、ルールやマナーのように、一定の知識を習得したり訓練を受けたりすることによって身につけられるものではないため、一筋縄ではいきません。

本プログラムは、こうした難しい側面もある「モラル」について受講者同士で議論し、その理解を深めていただいたうえで、実践的な対策を考えられるようになることをねらいとしています。

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管理職向け意識調査

管理職向け意識調査では、課題発見・戦略思考・部下育成などの管理職層に必要なスキルをどの程度意識できているか、自己評価により見える化します。

例えば、管理職研修を企画する際に事前調査として行うことで、自組織の管理職層全体の強みや課題が分かり、より効果の高い教育が実現できるようになります。また、この調査結果は、管理職を中心とした全社の人材育成体系・人事評価制度の見直しに活用することもできます。

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