やりっぱなしの教育から脱却~海兵隊式教育に学ぶ「即戦力」の育て方

みなさんの周りでこのような声をきくことはありませんか。
「頑張って社内教育をしても、なかなか実践に結びつかず、社員の独り立ちが遅れている・・・」「まずはOJT中心で早く現場に慣れてもらおうと思っていたが、基礎的な部分の教育が足りていない・・・」
「正しい知識を持ちつつ、自ら考え判断し行動できる人材」をいち早く育て、現場で即戦力化させることは、多くの企業にとって喫緊の課題です。このような人材を作るためには単なる知識の付与ではなく、価値観や行動規範にまで踏み込んだ教育が求められています。
この点において、アメリカ海兵隊の士官養成トレーニングは早期に即戦力を育てるためにうってつけの、かなり興味深い教育モデルです。
自走できる人材を育てる海兵隊式学習モデル~「知識→実践→フォローアップ」
海兵隊では、過酷な現場においても高い士気と判断力を発揮するために、段階的かつ体系的な教育を徹底しています。
フェーズ1:OCS~徹底した知識の習得と姿勢形成
まずOCS(Officer Candidates School)は、士官候補生が最初に受ける約10週間の教育課程です。基礎知識を網羅する座学+徹底したフィードバック文化の中で学ぶことで、知識を詰め込むだけでなく、「なぜそう判断するのか」を説明できる力を養います。座学では戦術理論・軍規・歴史・リーダーシップ原理などが徹底的に教え込まれ、候補生は知識の「量と質」の両面で鍛えられます。
フェーズ2:TBS~学んだ理論を現場で試す、失敗を恐れない実践
OCSを修了した士官候補は、続いてTBS(The Basic School)で半年間の実地教育を受けます。ここでは、OCSで得た知識を「現場でどう活かすか」を中心に訓練が行われます。特徴的なのは、「失敗から学ぶ文化」が明確に制度化されている点です。模擬戦闘や戦略立案演習など、あえて困難な課題に挑ませ、その失敗を丁寧に振り返るプロセスが設けられています。この段階で育まれるのは、「現場で考える力」と「仲間を導く力」です。指示待ちではなく、自ら判断し動くリーダーとしての姿勢が、実践を通じて定着していきます。
フェーズ3:IOS~専門領域で成果を出す訓練フェーズ
IOS(Infantry Officer Course)では、個人の専門分野に特化した訓練が行われます。専門スキルの向上と同時に、リーダーとしての意思決定や部下指導力を実地で磨く段階です。これにより、個人が自立し、チームとして成果を出せる「即戦力人材」へと成長します。
フェーズ4:PME~階級ごとに設けられた継続教育の仕組み
海兵隊教育の更なる特徴であるのが、任官後も続くPME(Professional Military Education)です。これは階級や職位に応じて必修化された継続教育制度で、選抜制のハイレベル校も設置されています。ここでは、新たな戦略思考やマネジメントスキルの再習得が求められ、時代に応じたリーダー像を常にアップデートすることが義務付けられています。「学び続けるリーダーこそが強い組織をつくる」という哲学が、PMEの根底にあります。
知識・実践・振り返りの循環が「即戦力」人材をつくる
海兵隊式士官養成トレーニングのエッセンスは、単なる厳しさや規律ではなく、自ら考え行動する力を育てる仕組みにあります。企業においても同様に、知識を徹底し、実践の場で失敗を許容し、学びを振り返るサイクルを設けることが、強い組織を生み出す鍵です。教育を「一度きりのやりっぱなし」で終わらせず、継続的な成長を支える仕組みへと整えることが求められます。
インソースが考える「海兵隊式学びの構造」
- OCS=基礎理論と原則の徹底学習~集中的な知識付与
- TBS=基礎理論の繰り返しの実践~失敗からの学びを得る
- IOS=実践・応用力の習得~専門性・マネジメント重視のフォローアップ
- PME=階層別の継続的なアップデート~学び続ける文化の定着
この構造は、企業における階層別教育や人材育成体系にそのまま適用ができます。重要なのは、座学だけで終わらせず、実践と内省を必ず組み込むことです。このサイクルが回り続けることで、組織全体の「学習力・判断力・統率力」が持続的に高まり続けます。
海兵隊式教育に着想を得たインソースの研修
インソースでは、特に、OCSの「徹底した知識付与」・TBSの「失敗から学ぶ、繰り返しの実践とフィードバック」という2つの要素に着目し、知識→実践→フォローアップの3ステップを意識的に組み込こんだ研修プログラムを開発しました。
人材育成の現場では、「知っている」だけでは行動が変わらず、「やってみただけ」では定着しません。社員の自走を支援するための教育体系を実現するために、5日間でじっくり学び、実践→定着へと結びつける教育プログラムをご提供しています。
管理職研修~役職者として早期に自覚を持つ(5日間)
本研修は理論とケーススタディを組み合わせ、マネジメント力・説明力・部下育成力・問題解決力を徹底的に鍛える研修です。管理職としての判断力を高めます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 管理職となるのをきっかけに気持ちを切り替えてほしい
- 現場で悩むことが多いため、管理職として早く力をつけてもらいたい
- 新任管理職のタイミングでの教育を重視していて、時間をかけてじっくり取り組みたい
研修のゴール
- 管理職としての自覚を持つ
- コンプライアンス、数字、文書などの必要知識を得る
- 組織運営やリスクマネジメントを知り、現場運営を理解する
- 課題発見、部下指導を実践で知る
- 失敗事例から判断力を磨く
セットでおすすめの研修・サービス
【スキル徹底強化シリーズ】部下指導研修(5日間)
集中して訓練することでスキルを向上させる研修です。前半の2日間は座学で学ぶパートとし、部下指導における心構えと世代間ギャップの解消、仕事の任せ方について学びます。後半は指導で困る場面を想定したケーススタディでの検討、指示書を反復して書く練習、面談のロールプレイングを実施します。特に後半の日程は多くの時間をワークに費やす、実践を重視したプログラムです。
教育体系・研修体系見直しサービス
研修会社インソースが提供する「教育体系・研修体系見直しサービス」のページです。ハイブリッドワークへの移行をはじめ、人的資本経営を実現するにあたっての人材要件可視化のご支援も、インソースにお任せください。育成体系構築から教育実施まで一気通貫でご提案可能です。
人事サポートシステム・LMS「Leafシリーズ」
社内教育を管理・一元化する際は、インソースのLMSがおすすめです。研修会社が開発した、かゆいところに手が届くサービスです。








