OJTの受け方で差がつく!「教わり上手」になるポイント~心構え・リアクション・メモ・質問・フィードバック
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新入社員にとって、現場で実務を学ぶOJT(On the Job Training)は、社会人としての基盤をつくる重要なステップです。しかし、せっかく指導してもらっても「受け身」でいるだけでは成長は加速しません。OJTで大切なのは、主体的に学ぶ姿勢を示し、指導する側との信頼関係を築くことです。
本記事では、新人がOJTで効果的に成長するために欠かせない5つのポイントを紹介します。
- 指導を受ける際の心構え
- 上司・先輩に安心感を与えるリアクション
- 学びを確実に定着させるメモの取り方
- 理解を深めるための質問の仕方
- 改善につなげるフィードバック
これらのポイントを意識して取り組むことで、教える側・学ぶ側の双方にとって、より前向きで実りあるOJTを実践することができます。
1.指導を受ける際の心構えを整え、学ぶ姿勢を示す
OJTの出発点は、まず「学ばせてもらっている」意識を持つことです。どれほど優秀な新人でも、最初は業務経験がないため、先輩のサポートなしには一人前になれません。そのため、指導してくれる相手に感謝と敬意を持ち、学ぶ意欲を行動で示すことが何より大切です。
忙しい上司・先輩に感謝と敬意を持つ
OJTは実務の合間を縫って行われるため、上司や先輩は通常業務を調整して時間を捻出しています。「新人だから教えてもらって当然」という態度ではなく、「貴重な時間を割いていただいている」という視点を持つと、自然と丁寧な言動が生まれます。日常的に「ありがとうございます」「とても勉強になります」と感謝の言葉を伝える習慣も有効です。
謙虚さ・素直さ・感謝を言動で示す
感謝の気持ちは、言葉だけでなく行動にも表れます。たとえば、指導を受けた内容をすぐに実践する、指摘を受けたら言い訳せず受け止める、アドバイスをメモに残して次回に活かすといった姿勢は、「この人には安心して任せられる」と思われる第一歩です。こうした姿勢は、周囲の信頼を得るだけでなく、本人の成長スピードを加速させます。
2.リアクションで上司・先輩に安心感を与える
「きちんと聞いている」「理解している」ことが伝わらなければ、指導する側は不安を感じます。リアクションは教わる側の最低限のマナーであり、相手に安心感と手応えを与える重要な要素です。
あいづち・表情・姿勢で「聞いている」ことを伝える
指導中は適度にあいづちを打ち、「はい」と言葉で反応しましょう。笑顔やうなずきなどの表情、相手の目を見る姿勢も大切です。背筋を伸ばして前のめりに聞く姿勢は、受け止める準備ができているという印象を与えます。こうした反応があると、上司・先輩も「教えた甲斐がある」と感じ、さらに丁寧に指導してくれるようになります。
双方向のコミュニケーションを意識する
リアクションとは単なる相づちではなく、双方向のやりとりを生み出すものでもあります。理解できた内容を自分の言葉で確認したり、「ここまでは理解できたのですが、ここはもう一度教えていただけますか」と具体的に質問したりすることで、理解度が伝わりやすくなります。「分からない」と言う勇気も、信頼を得る上では欠かせません。
3.教わった内容を活かせるメモの取り方を習得する
OJTでは、短期間に多くの情報を吸収する必要があります。メモは記録ではなく「再現」のためのツールです。書いて終わりではなく、後から活用できるように取ることを意識するだけで、学びの定着度が大きく変わります。
6W3Hを意識して漏れなく記録する
Who(誰が)・What(何を)・When(いつ)・Where(どこで)・Why(なぜ)・Whom(誰に)・How(どのように)・How much(どれくらいの費用)・How many(どれくらいの量)といった要素を意識して書くと、後で読み返しても状況を正しく再現できます。
ポイントは「誰が読んでも分かるメモ」にすることです。
重要情報を整理・強調して活用する
数字や固有名詞、頻出するキーワードはピックアップして強調します。また、日付や金額など重要情報は色や記号を使って目立たせると、後からの検索性が高まります。聞き慣れない言葉は無理に理解しようとせず、まずは聞こえたとおりに書き、後で調べることで理解を深めます。このようにメモを「記録」から「ツール」に変えることで、業務への活用度が格段に高まります。
4.遠慮せず積極的に質問し、理解を深める
新人にとって「質問するのは申し訳ない」と感じる場面は少なくありません。しかし、質問は学びの意欲の表れであり、理解を深める最短ルートです。むしろ、質問が出ないと「理解できていないのでは」と不安に思われることもあります。
配慮を忘れずに、勇気をもって質問する
忙しい上司・先輩に遠慮してしまうこともありますが、分からないまま進めるとミスにつながります。「何度も申し訳ありませんが」とクッションを入れつつ、分からない点は早めに確認する姿勢を持つことが大切です。その場で聞けなかった内容は、メモをもとに後で聞く工夫も有効です。
初歩的な質問は今だけの特権と考える
新人のうちは、基本的な質問も受け入れてもらいやすい時期です。複数の先輩から異なるやり方を聞き比べると、視野が広がり、自分に合う方法も見つかります。質問を通じて業務理解を深めることは、単なる知識習得を超え、考える力や応用力を育てることにもつながります。
5.フィードバックを前向きに受け止め、次に活かす
OJTでは、うまくいかないことや注意を受ける場面もあります。大切なのは、ネガティブな指摘を成長のヒントに変える姿勢です。
言い訳せず、前向きな言葉で応じる
指摘を受けた際に「難しいです」「できそうにありません」と否定的に返すのではなく、「教えていただいたおかげで、次はもっと上手くできそうです」とポジティブに受け止めることが重要です。相手の助言を「評価」ではなく「支援」として受け取る意識が、成長を後押しします。
反省と分析で成長のヒントを得る
同じ失敗を繰り返さないためには、原因を振り返り、次にどう活かすかを考えることが欠かせません。「反省=前向きな力」「後悔=後ろ向きな力」という意識を持ち、失敗を次へのステップに変えることが、OJT期間の成長を加速させます。小さな改善を積み重ねることで、自信も着実に積み上がっていきます。
OJTの受け方は、動画で学ぶことで定着と実践が進みやすくなる
OJTを効果的に機能させるには、新人が「教わり上手」になる行動を具体的に理解し、実践できるようにすることが欠かせません。しかし現場では、指導方法や求められる姿勢が人によって異なり、「どう振る舞えばよいか」が分かりづらいのが実情です。
そこで有効なのが動画による学習です。動画なら、現場で起こりやすい場面を通して「よい例」と「改善例」を比較しながら、リアクション・メモ・質問の仕方・フィードバックの受け方をより具体的に学べます。新人は自分の振る舞いをイメージしやすく、繰り返し視聴して定着させやすいのも特長です。
さらに動画なら、配属先や指導者が異なっても共通の基準を示せるため、育成レベルの底上げにもつながります。教え方のばらつきを防ぎ、現場OJTをより効果的にするためにも、動画で学べる環境づくりがおすすめです。
新人を早期に戦力化するために~OJTで「受け身」から「信頼される学び手」へ
OJTは、単に業務を覚えるための手段ではなく、新人が組織に早期に定着し、将来の戦力へと成長するための土台です。新人が「受け身」ではなく「学び手」として主体的に関わることで、教える側の負担が軽減され、チーム全体の生産性も向上します。
一方で、OJTがうまく機能しないと、指導側は「教えても反応がない」「どこまで理解しているのか分からない」と不安を抱え、指導を続けるモチベーションを失いやすくなります。その結果、新人が十分なスキルを習得できず、離職リスクが高まることにもつながりかねません。
今回ご紹介した5つのポイント(心構え・リアクション・メモ・質問・フィードバック)を新人が身につけることで、指導の手応えが生まれ、育成が好循環に変わるようになります。新人本人の学習効率が上がるだけでなく、指導者も「教えて良かった」と感じられることで、組織全体に育成文化が根づいていくのです。OJTは、個人の成長と組織の成長を同時に実現する貴重な機会です。この機会を最大限に活かすために、「教わり上手」の育成を意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
OJTの受け方講座~教わり上手になるための5つのポイント
本動画では、OJTを受ける際の効果的な姿勢と実践的なスキルを学びます。上司・先輩は通常業務に加えて指導を行うため非常に多忙です。そのような中で最大限の効果を得るためには、教わる側の積極的な姿勢が重要です。
「謙虚さ」「素直さ」「感謝」の基本的な心構えから、効果的なリアクションの示し方、質問の仕方、メモの取り方、フィードバックの受け方まで、具体的な事例とともに解説します。
本動画のゴール
- OJTにおける教わる側の基本的な心構えを理解する
- 謙虚さ・素直さ・感謝の姿勢を身につける
- 効果的なリアクションや質問の仕方を習得する
- 教わったことを生かすメモの取り方や活用法を学ぶ
よくあるお悩み・ニーズ
- 上司・先輩に質問するタイミングがわからず遠慮してしまう
- メモの取り方がわからず、教わったことを十分に活かせていない
- ネガティブなフィードバックを受けると落ち込んでしまう
- 教わる側としての心構えや姿勢に自信がない
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