カスハラ対策~最前線で頑張る部下を守るために管理職が今取り組むべきこと

近年、顧客からの理不尽な要求や暴言、過度なクレームなど、いわゆる「カスハラ(カスタマーハラスメント)」が深刻化しています。従業員の心身に負担をかけ、離職や業務停滞を招くケースも少なくありません。
管理職には、組織の安全配慮義務を果たす立場として、カスハラ対策を組織的に実施することが求められています。
カスハラとは
カスハラとは、感情的な発散や不当な要求、暴言・脅迫など、社会通念上許容されない行為です。正当なクレームとは異なり、従業員や組織に過剰な負荷を与えることが特徴です。
カスハラ対策と安全配慮義務
カスハラに適切に対応しないことは、従業員の心身を守る安全配慮義務違反につながる可能性があります。
- 精神的負担やストレスの増加
- 放置によるうつ病や離職など健康被害
- 従業員が心理的に安全に働けない環境の放置
管理職は組織の方針策定や研修、対応ルールを徹底し、安全配慮義務を果たすことが重要です。
管理職が果たすべき具体的対応策
1. 組織としての方針を明確化
カスハラ対策の基本方針を策定し、全従業員に周知します。ガイドラインでは、従業員を守る「判断基準」と「対応手順」を明確にすることが不可欠です。
- 顧客からの理不尽な要求に対する対応フロー
- エスカレーションのタイミングや連絡先
- 上司や人事への報告方法
文書化と定期的見直しで、組織全体の統一的対応を実現します。
2. 従業員教育と支援体制の整備
従業員が安心して対応できるよう、研修や相談窓口、メンタルヘルスサポートを設置します。さらに、ガイドラインのルールを徹底するためには以下が必要です。
- 顧客に向けて明示
- 社内に向けて周知
- 実運用でブラッシュアップ
- 運用を通じて内外に定着化
これにより従業員は自信を持って対応でき、組織としてもリスクを低減できます。
3. 個別対応の実践
- 問題行為の記録と報告
- 状況に応じた毅然とした対応
- 必要に応じて法務や専門家の助言を活用
これらを組み合わせることで、現場での実践力と従業員の心理的安全性が高まります。
東京都ではカスハラ対策を行う事業者向けに奨励金制度がございます。
※募集期間・詳細内容については、公益財団法人東京しごと財団「カスタマーハラスメント防止対策推進事業」をご確認ください。(最終アクセス:2025/11/07)
管理職向けカスタマーハラスメント対策研修~従業員を守るための「判断基準」と「対応策」
カスタマーハラスメントは業種や組織方針で事情が異なるため、法律だけでは対応が難しいものです。
そのため、管理職自身が判断基準と対応ルールを策定し、部下を守りつつ組織に合ったカスハラ対策を実践することが重要です。
よくあるお悩み・ニーズ
- カスハラの定義が不明確で現場での判断が難しい
- 現場責任者としてカスハラに対処することに自信がない
- 最前線で頑張っている従業員を守る方法を知りたい
研修のゴール
- カスハラ対策がなぜ重要なのかを理解する
- 自組織に合わせてカスタマイズしたガイドラインを作成できる
- カスハラに直面した際に管理職として取るべき行動が分かる
セットでおすすめの研修・サービス
オリジナルマニュアルで従業員をカスハラから守るプラン
組織のカスタマーハラスメント対応方針に基づくマニュアルの作成から、現場のサービススタッフへの展開・教育まで、一気通貫でご提供します。
カスタマーハラスメント防止研修
カスタマーハラスメントの基礎知識や現場で対応する際のスキル、組織としての防衛策について学んでいきます。
通常のクレームとは異なる部分を持ちつつ、ハラスメントの要素もあわせ持つカスハラに対し、実際の現場でも自信をもって対処できるよう取り組んでいただきます。
悪質クレーム対応研修~招かれざるお客さま・カスハラへの対応の仕方(管理職・責任者向け)
本研修は、クレームレベルのうち、レベル3に該当するクレームを対象として取り扱っております。
ルール通りに対応することで解決できる「クレームレベル1」、権限を持つ者が対応することで解決できる「クレームレベル2」をさらに上回り、顧客としての見切りをつけることも含めた対応が必要となる「クレームレベル3」に該当するものへの対応を対象とした研修です。
リーダーのためのアサーティブコミュニケーション研修
リーダーは、相手を尊重しながらも、言いにくいことや言わなくてはならないことを伝える場面が多くあります。
様々な関係者に対し、よい関係を保ちながら主張をするためのアサーティブなコミュニケーションスキルを学んでいただきます。









