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デジタル時代の競争力を高める人的資本投資~ジョブ型雇用を軸に考える

今日の企業経営を取り巻く環境は、デジタル技術の進展や働き方の変化によって急速に変化しています。デジタル時代における「人的資本投資」「ジョブ型雇用」といったキーワードは、単なる流行語ではなく、企業が持続的に成長するための本質的なテーマです。

本コラムでは、それぞれの意味と、経営・人事戦略にどのように活かすべきかを整理します。

デジタル時代に求められる人的資本の再定義

デジタル技術は業務効率化にとどまらず、組織の価値創造のあり方そのものを変えています。これまで「人的資源」と捉えられてきた人材は、競争力の源泉となる「人的資本」として再定義されつつあります。

人的資本とは、個々が持つ知識・技能・経験・創造力を意味し、これらを伸ばすことが企業の競争力を左右します。人材への投資はコストではなく、将来の成長につながる戦略的資産と位置づける必要があります。

デジタル時代特有の育成課題

デジタル時代では、従来型の教育やOJTだけでは不十分です。

  • ITスキルそのものではなく、データを活用して価値を生み出す力
  • デジタル技術を前提とした業務設計や意思決定力
  • 変化に応じて学び続ける姿勢

これらを組織としてどう育てるかが、人的資本投資の中核となります。

ジョブ型雇用が意味するもの

ジョブ型雇用とは、職務内容と責任を明確に定義し、その職務に最適な人材を配置する考え方です。従来のメンバーシップ型雇用では、社員を組織に所属させ、その中でさまざまな仕事を経験させながら育てていくスタイルでした。しかし、デジタル時代の競争環境では、必要とされるスキルや知識が多様化し、かつスピードが求められるため、職務に基づいた人材配置が重要です。

ジョブ型雇用を導入することで、組織は次のようなメリットを得られます。

  • 必要なスキルセットの明確化
  • 内外の人材を柔軟に活用できる体制
  • 戦略的にリスキリング(再教育)や人材配置を行うことができる体制

リスキリングは研修単体ではなく、実務と連動した学習機会として設計することが重要です。

人的資本投資を進めるための4つのステップ

人的資本投資を効果的に進めるには、段階的な整理が欠かせません。

  1. 戦略と人材要件を一体で設計する
    経営戦略と人材戦略は不可分です。組織が創出したい価値を明確にし、その実現に必要な人材像とスキル要件を定義します。現状とのギャップを可視化することで、投資の優先順位が明確になります。
  2. リスキリングを組織の習慣にする
    リスキリングを一過性の施策にせず、職務要件の可視化やキャリア対話と組み合わせて、学び続ける文化を定着させます。OJTや1対1面談も重要な要素です。
  3. 適材適所から適所適材へ
    人に仕事を合わせるのではなく、職務が生み出す価値を起点に人材を配置する「適所適材」の考え方が求められます。人的資本投資はこの適所適材の実現につながり、組織の成果を高めます。
  4. 働きがいとエンゲージメントの向上
    人的資本投資はスキル向上にとどまりません。人材の流動化を恐れず、社員が自らのキャリアを選択し、組織もまた優れた人材から選ばれる関係をつくることが重要です。また、心理的安全性や適切な評価制度、ウェルビーイングの追求も不可欠です。

人的資本投資がもたらす組織の価値

人的資本への投資は、競争力の源泉である人材の能力を引き出し、組織全体の価値創造力を高めます。デジタル化が進むほど、データ活用力やビジネスモデル理解への投資は不可欠です。

また、多様な人材が活躍できる環境はイノベーションの土壌となります。異なる価値観や経験を持つ人材の協働は、新たな発想や解決策を生み出します。

変化の時代の上級管理職研修~デジタル人材活用のための人的資本投資

こうした考え方と実践を体系的に学ぶ場として、当社では本研修をご提供しています。デジタル時代の人的資本経営、リスキリング推進、ジョブ型雇用の活用、多様性を尊重する組織づくりなど、実践的な内容を体系的に学ぶことができます。

理論だけでなくワークを通じて自部門への落とし込みを重視しており、人的資本投資を競争力のある組織づくりへとつなげる実践的なプログラムです。

よくあるお悩み・ニーズ

  • デジタル時代における人的資本経営のあり方を知りたい
  • リスキリングを部内でどのように推進していけばよいか分からない
  • 多様性を尊重したリーダーシップの発揮の仕方を学びたい

本研修のゴール

  1. デジタルと人的資本経営の関係が分かる
  2. デジタル時代におけるリスキリングの重要性を認識する
  3. ダイバーシティとイノベーションの関係を理解する

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セットでおすすめの研修・サービス

変化の時代の上級管理職研修~部門経営者としての成長戦略の構想

本研修では、デジタル時代の環境変化を整理したうえで、自部門の成長戦略を構想し、事業ポートフォリオの考え方や、意思決定の視点を実践的に学びます。

同じ立場の受講者同士で議論することで、自身の考えを客観視し、視野を広げることができます。日々の意思決定に迷いを感じている方、自部門の将来像を改めて描き直したい方にとって、戦略を考えるための「立ち止まる時間」と「考える軸」を得られる内容となっています。

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名著から学ぶ経営戦略シリーズ

本シリーズは、次世代経営者を目指す人材を対象とし、事前に課題図書を熟読いただいたうえで、読書会形式で議論を重ねていく研修シリーズです。

研修においては、講師から内容や用語、戦略の本質などを説明した後、書籍からの学びを現場に持ち帰るためのワークに取り組んでいただきます。経営戦略の名著と呼ばれる書籍から、経営者としての判断軸やマインドを学び、知見を深めることができます。

>名著から学ぶ経営戦略シリーズの詳細はこちら

人材アセスメントサービス「階層別テスト(上級管理職向け)」

「階層別テスト」は、当社がこれまで実施してきた研修等に基づき、各階層の社員に求められるスキルや能力を洗い出し、数値化するアセスメントサービスです。

上級管理職向けテストでは、「組織運営を担う立場として組織内外の状況を鑑みた判断ができる」かどうかを、基礎知識と活用力の2軸で判断します。自身の強み・弱みを把握するだけでなく、全国平均得点率も同時に表示されるため、自身の立ち位置と比較することも可能です。

>人材アセスメントサービス「階層別テスト(上級管理職向け)の詳細はこちら

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