職場の離職率・休職率を下げるには?管理職が身につけるべき3つのスキル
部下や若手社員のエンゲージメントや心の健康を維持することが、管理職の重要な役割となっています。部下のモチベーションが上がりにくいと感じたり、離職や休職を減らすために何ができるか悩んだりすることは、多くの管理職が直面している課題です。また、部下の本音を聞き出すことや、変化に気づき、適切なサポートを提供することに難しさを感じているかもしれません。このような課題は、個人の問題だけでなく、チームや組織全体の活力にも影響を与えます。
こうした課題を解決するには、一つのスキルだけでなく、複数のスキルを複合的に身につけることが効果的です。本コラムでご紹介するチームを活性化する力、ラインケア、面談力は、それぞれが部下との関係性を築き、チームの活力を高めるために不可欠な要素です。
これらのスキルは、それぞれが独立しているようで、実は密接に関わり合っています。例えば、面談を通じて部下の本音を理解することは、職場の風通しの良さを高めることにつながり、それが結果として部下の心身の健康維持にも良い影響を与えます。この記事を通じて、チーム活性化のヒントを掴んでいただければ幸いです。
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従業員が自発的に貢献する職場を築くために

チームの活力を高め、生産性を向上させ、ひいては離職を防ぐためには、従業員エンゲージメントの向上が欠かせません。従業員エンゲージメントとは、働く人が幸せを感じ、会社に愛着を持ち、自発的に組織に貢献しようとする意欲のことです。
この従業員エンゲージメントを高めるには、三つの重要な視点から職場環境を整えることが求められます。
風通しの良さ
信頼関係から生まれる安心感を指します。半径5メートル以内の人間関係を充実させることが重要です。具体的には、日頃の挨拶を意識し、自ら自己開示を行い、部下との対話を重ねることで、相談しやすい関係性を築くことができます。多様な部下を組織に包み込むインクルージョンの視点も不可欠であり、無意識の思い込みに気づくことから始めるべきです。
見通し
部下が将来の会社の姿や自身のキャリアを前向きに描けるかに関わります。また、キャリア開発と健康的な生活の両立、そして何をすれば評価されるかが明確であることも含まれます。管理職としては、部下の視界を良好にし、仕事に集中させる役割があります。そのためには、ビジョンや重視する価値観を自分の言葉で伝え、キャリアパスやキャリアコースのヒントを提供する一対一面談を積極的に実施することが有効です。
一体感
個人の成長と組織の発展が連動している実感をもたらします。誇りを持てる仕事であること、成果を出せる環境があること、そして仕事にストーリーがあることが、一体感を生み出します。管理職に求められるのは、一体感を醸成する成長支援です。「理」と「情」を用いた仕事の任せ方や、支援型リーダーとしての振る舞いを意識することが、チームの活性化につながります。
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従業員エンゲージメントの基本を理解し、「風通し」「見通し」「一体感」を生み出すためのコミュニケーション手法を実践的に学びます。部下の強みを引き出し、意欲を高めるためのヒントが満載です。
部下の心と体の健康を守り、活気ある職場へ

部下や後輩を多く持つ役職の方々にとって、メンタルヘルスの基本知識は不可欠です。自分自身の心身の健康を保ちつつ、部下の状況を理解し、心身ともに良好な職場を築くことが求められています。
厚生労働省の指針にもある通り、管理監督者への教育研修や情報提供が望ましいとされている分野です。
ラインケアの具体的な行動例
職場のメンバーの現状を把握し、変化に気づけるようにする「ラインケア」が管理職に求められます。そのための具体的な行動として、以下の点が挙げられます。
- 部署メンバーそれぞれの性格や働き方、現在の業務量、職場環境を整理すること。
- ハラスメントを自覚し、上司自身がストレスの原因にならないよう注意すること。
- 部下の承認欲求を満たし、組織への帰属意識を持たせること。
- メンタル不調の早期発見・防止に必要なコミュニケーションスキルを再確認し、職場でのコミュニケーションを活性化させること。特に意識してポジティブな言葉を使うこと。
また、万一部下が休業や休職に至った場合には、その復帰支援の流れやフローを理解しておくことも重要です。日頃から相談しやすい関係性を作り、不調に気づいた際の対応方法や相談窓口を明確にしておくことが、部下を守る上で非常に役立ちます。
管理職として必須となるメンタルヘルスに関する知識を習得し、部下の不調に気づき、対応するための「ラインケア」の基本を学びます。事例研究を通じて、実践的な対応力を養います。
部下の本音を引き出す面談の技術

部下を持つ管理職にとって、部下との面談は非常に貴重な機会です。特に若手社員は、フォーマルな場での上司との密なコミュニケーションを求めていると言われています。
この面談を通じて、部下の強みや働く上での制約を把握し、部下のモチベーション向上や本音の引き出しにつなげることが可能です。
面談を有益にするための4つのポイント
面談を有益なものにするためには、進め方に工夫が必要です。以下のポイントを意識して面談に臨みましょう。
- 傾聴力を駆使する: 部下が話しやすいと感じる雰囲気を作り、部下の本音や考えを引き出すために、上司は自身の聞く癖を認識し、真摯に耳を傾ける姿勢を持つことが不可欠です。
- 質問力を駆使する: 部下から必要な情報を引き出すための効果的な質問を投げかけ、部下が自ら考え、語ることを促します。
- 端的に要点を伝える: 部下に対しては、簡潔かつ明確にメッセージを伝えることで、認識のズレを防ぎます。
- 認識のすり合わせを確認する: 面談の最後に、話し合った内容について双方の認識が一致しているかを確認します。
さらに、部下一人ひとりの特徴を知り、相手のソーシャルスタイルに合わせた伝え方をすることも、面談の質を高める上で非常に効果的です。そして、面談を通じて部下の成果やモチベーションを下げるような言動は避けるべきです。これらの技術を実践的なロールプレイを通じて習得し、部下と「共に働く」ためのコミュニケーションを深化させることが、組織全体の活性化につながるでしょう。
面談の目的・役割を理解し、部下の本音を引き出す「傾聴力」「質問力」「伝える力」を習得します。面談の実施目的を明確にし、部下を成長させる面談のノウハウを学びます。
まとめ:従業員エンゲージメントを高め、職場を活性化するために総合的なアプローチを
働き方も価値観も多様になった今、管理職には部下の心身の健康とモチベーションを総合的にサポートする能力が求められています。
従業員が自発的に組織に貢献し、やりがいを感じられる職場を築くためには、「風通し」「見通し」「一体感」という三つの要素を意識した働きかけが重要となります。同時に、部下のメンタルヘルス不調を早期に察知し、適切に対応できるラインケアの知識と、部下の本音を引き出し、成長を支援する面談力は、これらを実現するための不可欠なスキルです。
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