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人を動かすリーダーの真髄~上杉鷹山(うえすぎようざん)に学ぶ思考と姿勢

上杉鷹山は、第35代米国大統領J・F・ケネディが「最も尊敬する日本人」と賞賛した人物です。貧窮に喘いでいた米沢藩の財政を再建し、奇跡的な繁栄をもたらした日本を代表する名指導者と言われており、現代のビジネスリーダーに必要な「率先垂範」「謙虚さ」「誠実さ」などの神髄を学ぶことができます。

人・組織を動かす3つの秘訣

決意と覚悟をもつ~為せば成る

米沢藩の財政再建に立ち向かった上杉鷹山は、藩主就任時わずか17歳という若さでした。藩の財政は逼迫し、藩士たちは窮乏生活を強いられていたにもかかわらず、改革への抵抗は強く、周囲は諦めムードに包まれていました。そんな中、鷹山は藩主としての覚悟を示すべく、「なせば成る なさねば成らぬ何事も」という誓詞を掲げます。この言葉は単なる決意表明ではなく、自ら改革に身を投じる覚悟の証でした。

常に率先垂範する

鷹山はまず、自分から倹約生活を始めました。藩主でありながら粗食に耐え、質素な衣服を身に着ける姿勢は、家臣たちに「口先だけでなく、本気だ」と伝わりました。この実践が、藩士たちの心を動かし、次第に改革への共感と協力を生み出していったのです。

現代のリーダーにも、まず自らが変化を体現する「率先垂範」の姿勢が求められます。部下や組織を動かすには、リーダー自身がその姿勢を示すことが不可欠です。

謙虚さと誠実さをもつ~「籍田の礼(せきでんのれい)」に込めた想い

鷹山のリーダーシップの核にあったのは、「謙虚さと誠実さ」です。その象徴的なエピソードが、農民とともに田植えを行う「籍田の礼」です。藩主自ら泥まみれになって農作業を行う姿は、藩士や農民に「ともに苦労を分かち合う」誠実さを示しました。この行動により、鷹山は人々との信頼関係を深め、藩政改革への協力を促すことに成功します。

現代のビジネスにおいても、トップダウンの命令だけでは組織は動きません。リーダーが現場に寄り添い、苦楽を共にする姿勢は、社員の心に響きます。例えば、大きな変革に取り組む際、リーダーが現場で汗を流し、同じ目線で課題解決に取り組む姿は、信頼と共感を呼び起こすでしょう。「籍田の礼」に学ぶべきは、現場に足を運び、相手の立場に立って考えることの大切さです。

組織を変革する秘訣~まずは支持層から変革を進める

鷹山は改革を進める上で、抵抗勢力の存在を冷静に受け止めながらも、決して諦めることはありませんでした。改革への反発が強まった際、彼は「火種を移せ」という戦略を取ります。一部の反対勢力に固執するのではなく、支持を得やすい層や部門から徐々に変革を浸透させたのです。

これは現代の変革マネジメントにも通じる手法です。組織改革では、全員を一気に動かすのは難しいものです。まずは賛同者や変革の担い手を育て、その影響力を周囲に広げることで、改革の機運を高めることができます。特に、新しい施策や制度の導入時には、現場のキーパーソンを巻き込むことで、変革の勢いを生み出せます。

鷹山の「火種を移す」戦略は、現代の組織マネジメントにおいても示唆に富んでいます。

組織を持続的に成長させる秘訣~次世代の育成に資する

鷹山が藩主を退く際に残した言葉、「伝国の辞」には、リーダーとしての哲学が凝縮されています。「国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして、我私すべき物にはこれなく候」という一文は、「国家は自分のものではなく、未来の人々に託すものだ」という意味です。

これは、現代の組織における人材育成にも通じます。リーダーの役割は短期的な成果を上げることだけではなく、次世代の人材を育て、未来への礎を築くことです。鷹山が設立した「興譲館」は、教育を通じて人材を育てる場として後世に多くの人材を輩出しました。

現代のリーダーもまた、自身のノウハウや価値観を次世代に伝え、持続的に成長する組織を築くことが求められます。鷹山のように、未来を見据えた人材育成に取り組む姿勢が、組織の繁栄を支えるのです。

人を動かす思考と姿勢~上杉鷹山に学ぶリーダーの在り方

史実に基づくさまざまなエピソードから上杉鷹山の思想や姿勢、組織と人のマネジメントについて学ぶ研修です。

よくあるお悩み・ニーズ

  • リーダーシップの発揮の仕方に悩んでいる
  • 組織や人のマネジメントの方法を知りたい
  • もっとメンバー・部下から信頼されるリーダーになってほしい

本研修の目標

  • 上杉鷹山のリーダーとしての思想や姿勢を知る
  • 上杉鷹山の組織マネジメント・人材マネジメントの手法を学ぶ
  • 自身のリーダーとしての課題を整理し、今後の目標を明確にする

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【偉人に学ぶ】求められるリーダーの素質~岩崎四代のエピソードから考える

三菱の創業者からの四代(岩崎弥太郎・弥之助・久弥・小弥太)の数々のエピソードからは、基本理念や信条を軸にしながらも、時代や会社の成長とともに柔軟にリーダーシップのスタイルを変え、課題や危機を突破していくことが重要であることを学ぶことができます。

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