インナーブランディングで社員が自律的に行動する組織をつくる~いますぐできる3つのコツと管理職の役割
社会全体が目まぐるしく変化する現代において、企業が成長し続けるためには、「自律的な組織」への変化が重要です。
つまり、上層部からの指示を待つのではなく、社員一人ひとりが自ら考え行動する組織こそが、競争優位性を生み出す鍵となります。
では、どのようにすれば、社員の主体性を引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができるのでしょうか。その答えの一つが「インナーブランディング」です。
本コラムでは、管理職の皆さまが知っておくべきインナーブランディングの基礎と実践方法について、具体的なステップを交えながら解説します。
インナーブランディングがもたらす効果~エンゲージメント、生産性、採用力の向上
インナーブランディングは、単に社内の雰囲気を良くすることだけが目的ではありません。企業理念やビジョンを社員に浸透させ、組織に対する共感と愛着を育むことで、以下のような具体的な効果が期待できます。
1.離職率の低下とエンゲージメントの向上
自社のビジョンや価値観に共感し、「この会社で働き続けたい」と心から思える社員は、日々の業務にやりがいを感じ、主体的に貢献しようとします。これは結果として、社員の会社に対するエンゲージメントを高め、離職率の低下につながります。
2.生産性の向上と組織の活性化
組織の目指す方向性が明確になり、社員一人ひとりが自分の役割を理解することで、業務における意思決定が迅速になります。また、社員間のコミュニケーションが活発になり、部門間の連携もスムーズに進むようになります。
3.採用力の強化
インナーブランディングによって、企業文化や働くことの意義が社内外に明確に伝わります。これは、求職者にとって大きな魅力となり、優秀な人材の獲得につながります。社員が自社の魅力について語る姿は、強力な採用ツールとなるのです。
いますぐできるインナーブランディングのコツ3選~歴史の振り返り、座談会、「自社らしさ」の言語化
インナーブランディングは、決して大掛かりなプロジェクトである必要はありません。日々の業務の中に取り入れられる、身近な行動から始めることができます。
「どうなりたいか」ではなく「どうあり続けてきたか」から始める
インナーブランディングというと、未来の理想像「どうなりたいか」を語ることから始めがちですが、社員の共感を得るには、まず「どうあり続けてきたか」という自社の歴史を振り返ることが重要です。創業時の想いや、これまでの成功・失敗体験を社員と共有することで、企業のDNAが明確になり、愛着が湧きやすくなります。
経営層と現場をつなぐコミュニケーションの強化
経営層の考えやビジョンを一方的に伝えるだけでは、社員は共感しにくいものです。部門を超えた座談会や、経営層が現場の声を直接きく機会を設けるなど、双方向のコミュニケーションを意識することが重要です。
「自社らしさ」を言語化し、共有する
社員が日常の中で感じている自社らしさを言語化することで、組織の個性や文化がより明確になります。例えば「お客さまに真摯に向き合う会社」「失敗を恐れずに挑戦する会社」など、具体的な言葉にすることで、日々の行動指針となります。
インナーブランディングを成功させるための管理職の役割~率先垂範と環境づくり
インナーブランディングを推進する上で、管理職の皆さまは非常に重要な役割を担っています。経営層と現場をつなぐパイプ役として、以下の点を意識しましょう。
- 企業理念の体現者となる
管理職自身が、率先して企業の理念や価値観に基づいた行動を取ることで、部下の模範となる - 部下との対話を重視する
一人ひとりの部下の個性や強みを理解し、彼らがビジョンにどう貢献できるのかを対話を通じて一緒に考える時間を取る - 変化を促す環境をつくる
失敗を恐れず挑戦できるような、心理的安全性の高いチーム作りを心がける
管理職向けインナーブランディング研修で実践を学ぼう
本コラムでご紹介したインナーブランディングの実践方法は、どれも日々の業務の中で少しずつ取り組めるものばかりです。しかし、より効果的に、そして体系的にインナーブランディングを組織に浸透させるためには、専門的な知識とノウハウを学ぶことが有効です。
インソースグループでは、管理職の皆さまを対象に、インナーブランディングを体系的に学ぶ研修をご提供しています。本研修では、自社の理念を深く理解し、部下と共有するためのコミュニケーションスキルや、社員の主体性を引き出すための具体的な手法を習得できます。自律的に動き出す組織づくりにご興味がある方は、ぜひ一度、詳細をご覧いただければ幸いです。
インナーブランディング研修
参加者それぞれが大切にしている価値観を引き出し、それをもとにチームの行動指針を作ります。「何のため、誰のためにチームは存在しているのか」を考えるボトムアップ型ブランディングの方法を通じて、中長期で自社ブランドを考えるきっかけを作るプログラムです。
本研修のゴール
- インナーブランディングの基礎と重要性を理解する
- MY行動指針を言語化し、メンバーに話せる状態にする
- チームの心理的安全性を高める
よくあるお悩み・ニーズ
- インナーブランディングについて理解したい
- 効果的なインナーブランディングの手法を学びたい
- 離職防止や採用力強化に効果的な方法がわからない
セットでおすすめのサービス
ブランディング基礎研修(1日間)
ブランディングにおける基本的な知識を修得するとともに、それが経営戦略上どのような意味を持つのかを理解していただきます。
また、実例をふんだんに提示し、経験豊富な講師がリアリティをもってお伝えすることで、興味深く学べるプログラムになっています。
コーポレートアイデンティティ確立ワークショップ(半日間)
コーポレートアイデンティティを確立し、エンゲージメントを高めるためのステップを学びます。
まず、顧客や社員が自社をどう捉えているかを調査したうえで、自社ブランドとなる要素を洗い出し、理想の姿を具体的に定義します。
そして、自社ブランドを組織に定着させるために、社員に求められる「ふさわしい行動」を言語化するなどの対策を考えるプログラムになっています。
採用ブランド構築支援ワークショップ~「自社らしさ」を軸にこれからの採用を考える
自社らしさを深堀りし、採用ブランドの構築につなげるワークショップです。自社らしさ・インナーブランディング・アウターブランディングの3つの軸で構成されるレーダーチャートで、状況を可視化することから始めます。そのうえでそれらを分析して、事実やその背景にあるもの、取り組むべき課題を言語化し、採用ブランド構築に向けた具体的なアクションを検討します。








