管理職の失敗の大半は、自分の姿を俯瞰で見ることができないために起こる
![]()
リーダーとして日々奮闘する中で、「なぜか仕事が計画通りに進まない」「部下に自分の言うことを理解してもらえない」「予期せぬ出来事にいつも振り回されている」といった悩みを抱えていませんか?
また、「言っていることとやっていることが違う」と指摘されたり、感情のコントロールに苦労したりすることはありませんか?
これら管理職の失敗の大半は、自分の姿を俯瞰で見ることができないために起こると言われています。ここでカギとなるのが「メタ認知」です。メタ認知とは、「もう一人の自分が自分を見る能力」であり、自身の思考、感情、行動を客観的に観察し、理解する能力を指します。
仕事ができる人はメタ認知能力が高い
いわゆる「仕事ができる人」は、このメタ認知能力が高い傾向にあります。自分の言動が部下にどのような影響を及ぼすのか、また、自分を含めたチームメンバーがどう動けば目標達成に寄与するのか、といったことを客観的に捉えることができれば、下される判断や行動が適切になり、成果が上がるのは納得できる話でしょう。
近年問題となることの多いハラスメント問題の背後にも、このメタ認知能力の欠如が隠れている可能性があることも指摘されています。感情的になりやすい時や複雑な人間関係が絡む事案でも、メタ認知能力をフル活用することで、冷静かつ的確な判断を下し、リーダーに相応しい行動と役割の果たし方を習得できます。
メタ認知が管理職にもたらす3つの大きな価値
1. 自己理解の深化と感情コントロール
メタ認知能力を高めることは、自己理解を深めることに直結します。人は自身の短所や欠点に目を背けがちですが、メタ認知を通じて自分を客観的に見ることで、そのような自己認識の歪みに気づくことができます。例えば、「業務負担が一定ラインを超えると感情的になりやすい」といった自身の傾向を把握できれば、それに対する行動変容のきっかけを得られるのです。
メタ認知能力が高い管理職は、感情のコントロールに長けています。自身の感情状態を客観的に観察できるため、ネガティブな感情がエスカレートする前に積極的に介入し、常に冷静な対応が可能です。プレッシャーの下で感情をコントロールできる管理職は、周囲から信頼され、より安全なチーム環境を育むことにもつながります。これは個人の精神的な安定だけでなく、安定したリーダーシップを発揮するために不可欠な能力と言えるでしょう。
2. 客観的な状況判断と課題解決能力の向上
メタ認知は、管理職が自身の思考やマネジメント方法を客観的に見直し、課題解決の糸口を見つける能力を向上させます。自身の視点が偏っていないかを確認するために、他者と積極的に意見交換を行うといった行動にもつながります。
トラブルが発生した際も、自身の言動や思考を冷静に分析し、「なぜ自分はこのように発言したのか」「次にどうすれば良いのか」という行動指針を考えます。これにより、不明確な問題や複数の利害関係者が関わる複雑な状況においても、自身の前提や認知バイアス、盲点に気づくことができ、より包括的な分析と効果的な問題解決へとつながります。
3. チームマネジメントとハラスメント防止への貢献
管理職が自己の状態を把握し、部下やチームとの関わりを客観的に見ることは、チームマネジメントに不可欠な要素です。メタ認知能力の高い管理職は、部下の自己管理能力を高め、チーム全体の目標達成率を向上させることに貢献します。また、他者の感情を理解し、コミュニケーション能力が高い傾向にあるため、相手を思いやった対応ができ、コミュニケーションが円滑に進みます。
自身の行動が他者にどう映るか、他者が自身の行動をどのように解釈するかを理解できるため、ハラスメントの防止に大きく貢献します。周囲への配慮が高く、協調性があるため、ハラスメントの発生自体を抑制する効果が期待できます。メタ認知を育成することは単に個人を訓練するだけでなく、共感、尊敬、心理的安全性のある文化を組織全体で構築することにもつながるのです。
リーダーのための仕事の進め方研修~メタ認知能力を活用し、マネジメント力を高める
管理職がメタ認知能力を向上させることは、個人の成長に留まらず、チームや組織全体の生産性向上、健全な組織風土の醸成に不可欠です。
本研修では、メタ認知能力を理解し、自身の日々の思考や行動を冷静に振り返っていただきならが、マネジメントの現場に取り入れる手法を学びます。自覚的な行動を自らに仕向けていくことで、リーダーに相応しい行動と役割の果たし方を習得いただきます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 「言っていることとやっていることが違う」と言われることがある
- イレギュラーなことが起きた時に計画の調整が上手く出来ない
- 時々、感情のコントロールがきかなくなることがある
- 関係者が複雑に絡む事案を進めるのが苦手である
本研修の目標
- 自分自身を客観的に捉える「メタ認知」の概念を理解する
- リーダーの具体的な業務の中に、メタ認知能力がどのように活かされるのかを理解する
- 部下のメタ認知能力の向上のための支援のし方について理解する
スケジュール
セットでおすすめの研修・サービス
俯瞰力強化研修~多面的に考え、全体を見渡すメタ思考力を鍛える
「俯瞰的に物事を考える力(メタ思考)」を醸成し、大局的な視点で物事を考えられるようになることを目指す研修です。
「リーダー・マネージャーには高い視座で物事を捉えてほしい」「様々なステークホルダーの視点で考え、判断してほしい」という方におすすめです。
「感じる力」「気づく力」を高めて、つながる、五感研修「Will」
内発的モチベーション、メタ認知、チームビルディング等を学ぶ研修です。
働く個人が「感じる力」と「気づく力」を高めて、それぞれ「大切にしていること」を見出すことや、お互いに「応援し合える関係性」と「つながり」を育む対話などを、実践し体感していきます。
リーダー育成研修~周囲を巻き込む影響力・対応力強化編(2日間)
本研修では、リーダーとして組織視点を強く持ち、周囲に良い影響力を与える人材になることを目指します。自分たちに求められている役割を理解し、当事者意識を持っていただきます。
「組織を俯瞰(ふかん)的に捉える意識づけとその見方を強化したい方におすすめです。





