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インナーブランディング成功の鍵は「現場からのボトムアップ」と「社員と組織のWHYの一致」
企業のブランド力を高めるには、社員一人ひとりがブランドを理解し、日々の業務の中で体現できるようにするインナーブランディングが欠かせません。しかし、インナーブランディングに取り組んでいるにもかかわらず成果が見えにくい、浸透が進まないと感じる組織も少なくありません。
本コラムでは、インナーブランディングに成功している組織とそうでない組織の違いを整理し、なぜ失敗するのかを解説したうえで、成功に導くための具体的なコツをご紹介します。
インナーブランディングがもたらす「社員の誇り」と「顧客の信頼」
そもそも、なぜインナーブランディングを浸透させるとよいのでしょうか。インナーブランディングの浸透に成功している組織では、組織の理念やビジョン・価値観が社員の日常に文化として根づいています。その結果、社員の立ち居振る舞いに自社のブランドらしさが表れ、社員自身が自社に誇りを持って働けるようになります。さらに、組織が外に発信するブランドと、顧客対応での所作が一致することで、顧客の信頼が高まります。
一方、インナーブランディングの浸透が成功していない組織では、組織の理念やビジョン・価値観が経営層や広報担当のメッセージにとどまり、現場では活用されません。そのため、スローガンと実際の行動の間にギャップが生まれ、ブランドの説得力が弱まってしまいます。
インナーブランディングが浸透しないのは「トップダウン」と「他人ごと感」が原因
トップダウンで一方的に伝えており、社員が自分ごと化できない
インナーブランディングは経営層からの指示やメッセージだけで進められることが多く、現場社員は単なる命令やルールとして受け止めてしまいます。その結果、日々の業務や判断にどう活かせるかを実感できず、自ら主体的に行動することが難しくなります。社員が意見を出したり参加できる仕組みがないと、ブランドを自分ごととして捉えることはさらに困難です。
社員が「他人ごと感」を抱くと、理念やビジョンは日々の業務に結びつかない
組織が掲げる「顧客第一」や「挑戦を重んじる」といった理念は、具体的な業務や行動に落とし込まれていないことが多く、社員は「自分の仕事には関係ない」と感じてしまいます。日常業務の判断や行動にどう結びつくかの具体例が示されず、成功事例や活用方法も共有されないため、ブランドを体現する行動が組織内で定着しません。
コツ１：ボトムアップで若手の意見を吸い上げる～メンター・１対１面談
インナーブランディングを成功させるには、現場の声を積極的に取り入れるボトムアップ型の仕組みが欠かせません。特に若手社員から出る「こうなったら会社のことがもっと好きになる！」という率直な意見は、ブランドを行動レベルに落とし込む「ブランド浸透の鍵」となります。ボトムアップ型の具体的なメリット
- 実体験を踏まえた意見を取り込めるため、ブランドが行動レベルに落とし込みやすい
- 自ら関わることで、社員の納得感が高まり定着が進む
- 部門を越えた対話が生まれ、組織全体の共通言語となる
現場での議論やワークショップを通じて、社員一人ひとりが「自分たちのブランド」として語れる状態をつくることが重要です。
人事・教育担当者ができるボトムアップ型の仕組み例
- 若手の声を吸い上げる１対１面談
人事部から管理職に依頼し、若手社員と定期的に１対１面談を実施します。日常の対話から自然に出る本音を拾うことで、ワークショップのような形式的な場では得られない率直な意見や改善のヒントを引き出せます。 - 若手主体のインナーブランディング委員会
数名の若手社員を委員会に任命し、自由に企画・議論を進めてもらいます。トップダウンで任命する一方、運営は若手主導とすることで「どうすれば会社を誇れるか」を自分ごととして考えるきっかけになります。
コツ2：自分の働く意味と企業の存在理由を一致させる
インナーブランディングが機能するもう一つのポイントは、社員のＷＨＹ（自分はなぜ働くのか）と、組織のＷＨＹ（企業が存在する理由）を結びつけることです。
ＷＨＹを重ねることの具体的なメリット
- 社員一人ひとりが理念を「自分ごと」として捉えられる
- 日々の業務や判断に一貫性が生まれ、迷いなく行動できる
- 仕事に意味や誇りを感じやすくなり、モチベーションやエンゲージメントが高まる
社員が自分の働く意味と組織の理念を重ね合わせられたとき、組織の理念やビジョン・価値観は単なる方針ではなく、社員一人ひとりが自身の言葉として語れるようになります。こうした状態が、一貫した行動や誇りを生み出し、組織のブランド力を大きく引き上げます。
人事・教育担当者ができるＷＨＹの共有例
- 社員に会社説明会で登壇してもらう
採用向けの会社説明会に、社員自身が登壇して自分の体験を語る場を設けます。発表準備を通じて会社の理念や自分の価値観を振り返ることになり、理念を自分ごととして考えるきっかけになります。 - 社内で会社の取り組みや成果を見える化する
イントラや掲示板、社内報を活用し、会社のプロジェクト成果やお客さまからの感謝の声、社外での評価・受賞情報などを定期的に共有します。社員が話す必要はなく、見るだけで会社の価値や自分の仕事の意味を確認できます。
まとめ：成功する組織は、ボトムアップで社員を巻き込み、ＷＨＹを共有してブランドを浸透させている
社員を巻き込みながらボトムアップで進めること、そして自分と組織のＷＨＹを重ね合わせられる仕組みをつくることが重要です。これらが揃うことで、組織の理念やビジョン・価値観は組織全体に浸透し、自然と社員一人ひとりの日常の行動に表れていきます。
部下モチベーション向上研修～風通し・見通しをよくするコミュニケーション
本研修では、部下・後輩のモチベーションについて以下の点に注目し、モチベーションを向上させる手法を習得します。下記２点を考えてながら、特に部下・後輩とのコミュニケーションの取り方や、業務の具体的な指導や割振りの仕方など、ワークやケーススタディを通して習得します。
本研修のゴール
- メンバーが安心して働けるための環境づくりや動機付けができる
- 意欲が高まる指導力を身につける
- 良好な関係を構築したうえで、モチベーションを上げられる仕事の任せ方ができる
よくあるお悩み・ニーズ
- 部下との距離を縮めるよう努力しているが、なかなかうまくいかない
- 後輩が悩んでいるときに相談にしやすいような環境づくりをしたい
- 指導で活用する傾聴・質問・承認スキルを強化したい
セットでおすすめの研修・サービス
コーポレートアイデンティティ確立ワークショップ（半日間）
コーポレートアイデンティティを確立し、エンゲージメントを高めるためのステップを学びます。自社ブランドのイメージを当事者同士で意見を出し合い明確にすることで、ブランド戦略に関わる意識を醸成できます。本ワークショップを通して、社員一人ひとりの帰属意識向上につなげていきます。
部下とのコミュニケーション実践研修～心理的安全性の高い職場を作る
心理的安全性とは、「メンバー一人ひとりがチームに対して気兼ねなく発言できる、自然体でいられる環境・雰囲気」のことを指します。心理的安全性が担保された職場では、一人ひとりが主体的に行動し、成果を上げることができます。しかし実際には、メンバーがミスをすることを恐れ本音を言えず、悩みやストレスを抱えているというお悩みを多くおうかがいします。このような事態を打開する鍵を握っているのは、チームを率いる管理職・リーダーです。
