組織が機能することで命は救われる 現代の医療サービスは高度にシステム化されており、そのシステムがうまく機能することによって最大限のメリットが発揮される。病院の中を見ても、医師や看護師、薬剤師に理学療法士等、様々な医療スタッフが各々の専門分野における役割を果たすことによって、患者の命が救われ、社会復帰が可能となる。
一方、組織運営における役割を果たすこともまた、医療機関を機能させる上では不可欠なものである。病院としての組織体制が組まれ、人が配され、経営が成り立ってこそ、その使命が全うできるというもの。
組織マネジメント力もまた医療従事者にとって、人を救うための重要なスキルなのである。
過去と比べて現在の医療機関を取り巻くリスクは格段に高まっていると言えるでしょう。先進医療の導入に伴い、施設や医療機器等への投資が増え、その稼働率を上げることが現場に強く求められるようになったことが医療ミスの遠因になっています。
また、その医療技術の高度化そのものが、新たな医療ミスを誘発しているという側面も指摘されています。このような環境下において、医療従事者が長時間労働で疲労困憊し、メンタル面を患ったり、職場を離れてしまうなど、人的資源の損失という面でのリスクも高まっています。
医療制度や保険制度の改革、診療報酬の見直しなど、病院経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。
黒字経営を保っている病院は、民間の医療法人で7割、自治体運営では3割を切るとも言われています。地域の要の病院が経営不振で廃業することとなれば、地域医療を支えることが難しくなってしまします。
病院運営を担当する部署はもちろんのこと、医療に従事する一人ひとりにも、健全な経営視点を持って業務にあたることが求められています。
従来、病院は「傷病を治癒すること」に専念し、その成果を出すことで評価を受けてきました。ところが、近年は、その機能に加えて、利便性や快適性をも求められるようになってきました。
医師不足、看護師不足が慢性的に課題となっている一方で、医療機関の間での顧客獲得競争は激しさを増しており、患者をはじめとする利用者のニーズに応えるべく、施設改善やサービス強化、接遇レベルの向上等が求められています。
多くの医療機関では、単なる専門家集団の寄り合い所帯になってしまっているケースが少なくありません。
組織が組織として機能するためには、機能的に階層化された組織構造を作り、目指すゴールに向かって意識的かつ計画的に協働する体制づくりが求められます。
組織体制が構築されたら、次に各階層における役割を明確に定義し、それを全うさせることが求められます。
組織運営の中での自身の役割を認識させ、そこで必要となるスキルを身に付けさせることが、組織を機能させるうえでは欠かせません。
例えば・・・
1.各階層における役割の定義
2.階層ごとの求められる人材像の設定
3.人材像をもとにスキルマップの作成
例えば・・・
1.スキルマップに基づいた階層別研修の実施
2.スキルマップをベースにした評価制度の導入
■ある医療法人における人材要件定義書の例
アンケート及びヒアリングを通じて各階層に求められる要素を抽出し、「業務遂行・管理」「人材活用・育成」「職階における心構え」に分けてマップ化し、人材要件定義書を作成。これに基づいて、上位階層から順番に階層別研修を実施した。
【教育担当の看護師対象】/東京
今まで先輩のやり方や自己流のやり方で後輩指導をしていたけれど、効果的なやり方があると知ってとても勉強になった。
実際頼れる先輩は今日教えてもらった内容を実践しているような気がします。自分の指導方法を見つめ直し、リーダーシップをとっていけるよう努力していきたい。明日から実践していきます。
【管理職対象】/東京
管理職候補向けだけでなく、現在の管理者、職場のメンバーにも理解してもらいたいと思った。業務の中でコーチングスキルを意識して、メンバーのやる気を引き出していきたいと思う。今後はとにかく行動に移したいと思います。
【中堅社員対象】/香川
今日は大変貴重な研修ありがとうございました。
後輩育成は私の苦手な分野で、仕事でも自分でやってしまう方が早く終わると思ってしまってた所がありました。“指示したら支持も”という言葉は本当に大切だと感じました。
また目標達成には、あきらめない、自分を信じるということでこれからもがんばりたいと思います。
【次期管理職対象】/神奈川
研修ありがとうございました。
SWOT分析を通じて経営者の視点からの戦略立案演習において実務とは全く異なる内容について皆で議論し、貴重な経験をすることができたと思っています。
その中で会社を変えていくにはまず意識改革が必要であること、また現在、未来において常にグローバルな視点で仕事を進めていくことが非常に重要であることを教えて頂きました。
また、外資と内資のマネジメントの違いについていままでそれほど深く認識していませんでしたが、今回の研修で非常に勉強になりました。
今後まず出来ることとして担当プロジェクト内で目的意識の共有(目線合わせ)から積極的に働きかけていきたいと思います。